D-DAY+165 2027年6月上旬 日本との医療協力プラン
* D-DAY+165 日本時間 AM 9:00 晩餐会への招待状
梅雨の晴れ間、赤坂御用地に一台の英国大使館車両が滑り込みました。届けられたのは、4日後に行われる「イギリス・楽園島 国交樹立式典」への公式招待状
日本側の招待客リストには、K首相や外務大臣、楽園島のメインバンクであるMSB銀行頭取といった重鎮に加え、皇室からはK子様とM子様のお二人の名前だけが記されていました
招待状を受け取ったM子様は、すぐさま妹のK子様の部屋を訪れました
M子様:
「……見たわよ、K子。皇室からは私たち二人だけ。お父様もお母様も入っていないなんて、異例中の異例ね。私はきっと、あなたの『付き添い』としての役割を期待されているんだわ……それにしても、あと4日しかないなんて。準備が大変よ」
K子様は招待状を大切そうに抱えて口を開いた
K子様:
「……はい。でも、また朱雀陛下にお会いできるのですね……」
そのどこか夢見心地な妹の横顔を見て、M子様は以前、父であるH親王が冗談(あるいは本気)で口にしていた「朱雀陛下との縁談」を思い出しました
M子様は少し意地悪な笑みを浮かべて
M子様:
「ねえ、K子。単刀直入に聞くけれど……あなた、朱雀陛下のことを本当はどう思っているの? 以前、お父様が仰っていたあの話、まんざらでもないんじゃない?」
K子様は頬をわずかに赤らめ反応した
K子様:
「それは……朱雀陛下は、人格者で、とても素敵な方です。国を背負い、多くの命を救うそのお姿を、心から尊敬しておりますわ」
M子様:
「尊敬、ねえ…妹ながらもどかしいわ。私が聞いているのは『一人の男性として、彼の妻になる気があるのか』ということよ?」
K子様は視線を落として
K子様:
「……彼には、もう3人の奥様がいらっしゃいます。かおり皇后陛下、リコ姉様、そしてさや姉様。朱雀陛下は、彼女たちへの誓いを何より大切にされています。あなたのさや姉さまの結婚式で聞いたでしょう?私がそこに割り込むなんて……そんなこと、できません」
M子様:
「あなたがそうやって遠慮ばかりしているからよ! 最初の晩餐会の時、まだ彼の奥様が一人だった頃に、ネットの声に押されてでももっと強くアプローチすればよかったのに……じゃあ、逆に聞くわ。あなた、朱雀陛下以外の男性と結婚することになって、心から納得できるの?」
K子様:
「それは……」
K子様は言葉を詰まらせました。理屈では「立場」や「約束」を理解していても、心がそれを認められるかは別問題だったのです
* M子様の「理想の王子様」
K子様は反撃するように問い返した
K子様:
「……そういう姉様こそ、どうなのですか? いつも私のことばかり」
M子様:
「私? 私はそうね……楽園島のN参事官、彼なんて素敵だと思っているわ。冷静沈着で、実務能力が抜群で……まるで理想の王子様だわ」
M子様はあっさりとN君押しという事を認めた
K子様:
「まあ! 姉様こそ、意外と情熱的ですこと」
姉妹の会話は、いつしか年相応の「恋バナ」へと花を咲かせました。しかし、現実は刻一刻と動き続けています
* 仙洞御所への支度
時計が10時を回ろうとしていました。今日は、上皇・上皇后両陛下の治療のためにS子が仙洞御所を訪れる日です。K子様とM子様は、彼女を出迎える準備を始めました
M子様:
「さあ、着替えましょう。今日も朱雀陛下が同行されるかもしれないわ……K子、今日こそは少し素直になりなさいよ? 4日後の晩餐会で、誰かに先を越されないようにね」
M子様に背中をぽんと叩かれ、K子様は少し困ったように、しかしどこか決意を秘めたような瞳で鏡を見つめました
#### 日本の難病患者の医療協力
* 楽園島 PM 13:00 日本時間 AM 9:00
今日の上皇様と上皇后様の若返り治療の為、S子はつくば楽園島大使館のワープゲート経由で仙洞御所へ行く準備をしている
p.adminは、上皇・上皇后両陛下の若返り治療に向かうS子に同行することを決めました。イギリスでの実績がいずれ日本に伝わる前に、こちらから「信頼」の証を提示するためです
p.admin(朱雀 椿):
「イギリスでは、バッキンガム宮殿の医療ベイが難病児救済の拠点として動き出している。後から突き上げられて対応するより、先に侍医の先生たちに権限を預けてしまう方が、日本側の心証もいいはずだ。昨日のような個別のケースに振り回されないためにもね」
S子:
「そうね。R子からミンームパークの母子の件も聞いた、逐一私たちが判断するより、日本のことは日本の信頼できる人たちに任せるべきだわ」
出発時間になり、p.adminとS子は楽園島の中央広場のワープゲートから楽園島大使館の屋上へ移動し、そこから宮内庁が用意した公務車に乗り込み、仙洞御所へ移動することとなった
車内では運転手だけでしたが、他所の人間がいる為、p.adminとS子はダンスの練習とドレスの新調等で少しディスカッションしたが、政治に関する会話はしなかった
* 日本時間 AM 10:00 仙洞御所
到着後、一行はすぐに医務室へと案内されました
そこには上皇・上皇后両陛下に加え、侍医のA先生とB先生、そしてK子様とM子様が待機されていました
S子が手際よく上皇様を医療ベイへと誘導する傍らで、宮内庁大夫がp.adminに歩み寄ります
大夫:
「朱雀陛下、本日はお越しいただき感謝いたします。……4日後の晩餐会について、K子様とM子様の件で少々ご相談が……」
p.admin:
「大夫殿、その件は後で詳しく伺います。まずは、私の方から日本政府と皇室に関わる重要な提案をさせてください」
p.adminは、昨日ミンームパークで起きた母子の件、そして現在イギリス王室の主導で進んでいる難病治療の現状を共有しました
K子様は安堵の表情を浮かべましたが、侍医たちはその「責任の重さ」に緊張を走らせます
* 日本版「ロイヤル・メディカル権限」の付与
p.admin:
「原則として、日本国内にこれ以上の医療ベイを追加設置するつもりはありません。しかし、ここにいる侍医A、Bの両先生には、イギリスの王室医療チームと同等の『限定的な操作権限』を一時的に付与します」
【侍医に与えられる権限】
若返り治療を除く、全疾患の自動診断および治療実行権限
診断後、日本語・英語で提示される治療概要を確認し、権限保持者が治療可否である「YES/NO」を決定する
補足:
侍医A = K子様と一緒にイギリスへ訪問した侍医
侍医B = 上皇様と上皇后様の体調変化を備えて御所で待機
p.admin: 「また、K子様とM子様には、楽園島で所定の異星医療カリキュラムを修了していただいた後、完全な操作権限を付与します。これには若返り治療も含まれますが、対象者は許可リストに登録された方のみとなります」
* 侍医Bの懸念
この提案に、慎重派の侍医Bが口を開きました。
侍医B:
「陛下、お心遣いはありがたいのですが……。未承認の異星技術を一般の患者に使用するとなれば、国内の医療法との整合性が取れません。また、ここ(御所)で治療を行うより、陛下の母校であるつくばのT大学附属病院などの然るべき施設に設置し、専門医に権限を与える方が、国民の利益に適うのではないでしょうか?」
p.adminの目が、一瞬だけ鋭くなりました
p.admin: 「……以前も申した通り、医療ベイの追加設置はしません。ましてや、大学病院の医師たちに権限を与えるつもりもありません。私はあくまで、イギリスと同じ条件で『日本皇室』に権限を委ねるのです」
侍医B:
「しかし、これでは運用のハードルが……」
p.admin:
「そのハードルをどう乗り越えるかは、そちらで考えていただきたい。法改正が必要ならK首相に働きかけるなど、ご自身で動いてください。私はそのための協力は惜しみませんが、技術をバラ撒くつもりはない……これは、日本における『皇室の存在を高める』を意味していると、ご理解ください」
* 動き出す「王権の強化」
「皇室の存在を高める」という言葉に、宮内庁大夫の背筋が伸びました p.adminの意図は明白でした。医療という「究極の恩恵」の鍵を皇室に握らせることで、形骸化しつつある皇室の権威を、実質的なものへと引き上げようとしているのです
大夫:
「……承知いたしました。朱雀陛下の深いお考え、しかと受け止めました。医療法との兼ね合い、そして運用体制については、私から首相へ強く進言いたします」
治療を終え、医療ベイから出てこられた上皇様が、血色の良くなった顔でp.adminを見つめました
上皇様:
「朱雀陛下……あなたがこの国に、そして私たちに示してくださる道が、より良き未来へ繋がることを信じておりますよ」
p.admin:
「いいえ、上皇様、過分なお言葉です。私の初心は国を意識した事はありません、ただ、救うべき人を救いたいだけでございます」
そう言って、p.adminは静かに頭を下げました
イギリスに続き、日本でも「医療」を軸とした新たなパワーバランスが、静かに、しかし確実に形作られようとしていました
***
上皇様の治療が一段落し、代わって上皇后様が穏やかな表情で医療ベイへと横たわられました
S子が手際よく若返り治療のシーケンスを開始する中、宮内庁大夫が機を見計らったようにp.adminへ歩み寄りました
大夫:
「朱雀陛下、折り入ってお願いが……4日後のイギリス訪問ですが、K子様とM子様について、K首相らが乗る政府専用機ではなく、陛下と共に『ワープゲート』でバッキンガム宮殿へ向かわせていただくことは可能でしょうか?」
p.admin:
「お安い御用です。14時間のフライトは心身ともに負担でしょうし、何より安全面ではゲートの方が確実ですから。こちらで手配しておきましょう」
K子様:
「……ありがとうございます、陛下。またあの不思議な光の道を通れるのですね」
K子様は控えめながら、隠しきれない喜びを瞳に宿して微笑まれました
* M子様の「追撃」
すると、隣で様子を伺っていたM子様が、さも何気ない風を装って切り出しました
M子様:
「ところで朱雀陛下。今日はN参事官のお姿が見えませんが……あちら(楽園島)の公務でお忙しいのでしょうか?」
p.admin:
「ああ、N君は現在、実務部隊のリーダーとしてロンドンに滞在しています。国交締結の条約案や式典の段取りで、まさに寝る間もない状況ですよ。当日は彼もバッキンガム宮殿にいますから、顔を合わせられるでしょう」
M子様:
「……そうですか、ロンドンに。それは頼もしいことですわ……ところで陛下。先ほど、かおり皇后陛下やリコ姉様を労うためにミンームパークへ行かれたというお話を聞きましたが……」
M子様の瞳が、獲物を狙うようにわずかに細まりました
M子様:
「妹のK子も、イギリスでの患者様のケアや、陛下の身の回りのお手伝いなど、身を粉にして頑張っておりました。若干時間が経ったとはいえ、陛下……妹にも、何か『労い』のお出かけを提案してくださっても良いのではありませんか?」
K子様:
「姉様! 何を仰るのですか、私は好きでさせていただいたことで……!」
S子:
「…………」
K子様が慌てて制止し、傍らで医療モニターをチェックしていたS子が思わず絶句して手を止めかけました
p.adminも、まさか日本の内親王から「デートの催促」とも取れる大胆な提案が来るとは予想しておらず、数秒間の重い沈黙が流れます
p.admin:
「……ええと。そうですね……確かに、K子様には多大なご助力をいただきました……分かりました。イギリスとの国交式典が無事に終わった後、お二方の都合がよろしければ、どこかご希望の場所へご案内しましょう」
p.adminは、外交上の「体裁」を保つための回答として、何とか言葉を捻り出しました
しかし、M子様はそれでは許してくれませんでした
M子様:
「まあ、嬉しい! ……でしたら、その時はN参事官も必ず連れてきてくださいね? いわゆる『ダブルデート』という形にしましょう。ね、陛下?」
p.admin:
「…………(苦笑)」
p.adminはもはや、引き攣った笑みを浮かべることしかできませんでした。N君を巻き込み、さらに自分もK子様のエスコートを確約させられる…… 異星の科学で難病を治すよりも、日本の「お姫様」たちの攻勢を凌ぐ方が、よほど難しいであると思い知らされた瞬間でした
#### 日本時間 PM 12:30 嵐の前の静けさ
仙洞御所を後にした宮内庁の公務車の車内には、重苦しい沈黙が流れていました
S子は窓の外をじっと見つめたまま、一言も発しません
p.adminは、彼女が「他人に聞かせたくない話」を溜め込んでいることを察し、黙ってハンドルを……ではなく、後部座席で気配を消していました
午後2時前、つくばに戻った二人は、大使館から徒歩3分、楽園島職員たちの「社食」と化している黄色い看板のファミレスへ
ピークを過ぎた店内で、店員は手慣れた様子で奥の目立たないボックス席へと案内しました
因みに、p.adminと妻たちがつくば市の中心部で行動する時には、目立った身辺警護は行われない
それはp.adminや妻たちは危険時のシールド自動発動ができる他に
それはp.admin自身の強い要望の他に、茨城県警は日本政府側が市内の主要道路、高速ICでの監視カメラ等の運用面と連携して、監視が疎らでも一定の安全保障ができると言われている
タブレットで注文を済ませ、水が運ばれてくると同時に、S子の「詰問」が始まりました
S子:
「……別に、あなたを責めるつもりはないわ。ただ、今回は完全にM子様に『してやられた』だけだってこと、自覚してる?」
p.admin:
「……いや、お二方を案内するくらい、別にやましいことじゃないだろう? 研修や見学という体裁にして、あなたやR子、T先生たちも同行すれば、変な噂も立たないと思ったんだが……」
S子:
「甘いわ! そんな逃げ道、M子様が許すと思う? 彼女が言ったのは『ダブルデート』。つまり、外堀を埋めてあなたを逃がさない宣言よ」
p.admin:
「彼女がN君と会いたいのなら、私は反対しないよ。むしろN君次第では応援しても……」
S子:
「あなたはいつもそうやって譲歩して、結局他人の思い通りに動かされる……今日、ようやく当時のR子の気持ちが分かった気がするわ。K子様は自分からは何もおっしゃらない。でも、周りが動き、彼女自身もあなたが折れるまで『じっと待つ姿勢』を崩さない。一番厄介なパターンよ」
p.adminは、S子の言葉を聞きながら(……それ、後から割り込んできた君が言うか?)という感想が脳裏をよぎりましたが、口に出す勇気はありませんでした
S子:
「……正直に答えなさい。あなた、K子様のことは『好き』なの?」
p.admin:
「好き嫌いというか……彼女は『雲の上の存在』だよ。今はこうして対等に話しているけれど、それは私の今の『肩書き』があるからであって。変な気を起こせば罰が当たるような気がして……」
S子:
「またそうやって逃げる。好きなの? 嫌いなの?」
p.admin:
「……『善良さ』という基準で見れば、確かに彼女は私の好みだよ。でも、私の手にある異星技術を取り除いて考えてみてくれ。私はただのエンジニアで博士号持ちなだけの、何の取り柄もないデブのおっさんだぞ?」
S子は目が据わりながらp.adminを問い詰めた
S子:
「じゃあ何? 私とR子は、『デブのおっさん』で妥協したとでも言いたいの?」
p.admin:
「いや、君たちは付き合いも長いし、趣味も価値観も分かっているから……その、お互いに納得した上での……」
S子:
「……その言い方、減点1点」
p.admin:
「えっ、今のは理不尽じゃないか!?」
S子はストローを指で弄びながら、最後に冷たく、しかし真剣な眼差しをp.adminに向けました
S子:
「……とにかく、自分の結婚式での『誓い』を忘れないことね。『妻たちの心の安寧のために、これ以上妻は迎えない』…あれ、来賓の前で堂々と言ったのよ? 録画も残ってるんだから」
p.admin:
「……もちろんだ。忘れるはずがない」
S子:
「今日の件は、R子に隠し通せると思わないことね。あの子は鼻が利くわよ……帰ったら、自分でどうにかしなさい」
S子の機嫌は一向に治らぬまま、つくばのワープゲートを潜りました。楽園島に戻れば、そこにはW子とR子が待っています
### アナザー視点:K子様の部屋にて
仙洞御所から戻り、自室の扉が閉まった瞬間
K子様は顔を真っ赤にして抗議した
K子様:
「姉様!……あのようなこと、どうして仰ったのですか! 陛下も、それに横にいらしたさや(S子)姉様も、あんなに困惑されて……私、恥ずかしくてお顔が見られませんでしたわ!」
M子様:
「あら、何をそんなに怒っているの? 私はただ、頑張った妹に『正当な報酬』を要求してあげただけよ。陛下だって最後には承諾してくださったじゃない……あの方は、ああやって追い込まれないと動かないタイプなのよ」
K子様:
「追い込むだなんて……陛下には陛下の立場がございます。それに、奥様方との大切なお約束があることも、姉様はご存知のはずです。私のような者が、陛下の平穏な生活を乱してはいけないのです」
M子様は立ち上がり、K子様の肩に手を置いて
M子様:
「いい、K子。あなたはいつも『自分さえ我慢すれば』と考えるけれど、陛下が救おうとしているこの国の未来に、あなたという存在がどう関わるのか、もっと欲張りになってもいいのよ。それに……」
M子様は少しいたずらっぽく笑みを浮かべました
M子様:
「……正直に言いなさい。陛下と『お出かけ』ができると聞いて、胸が高鳴らなかったの?」
K子様は視線を泳がせながら
K子様:
「……それは……陛下とご一緒に、この国の美しい景色を見られたら……どんなに素敵だろうとは、思いましたけれど。でも、N参事官まで巻き込むなんて!」
M子様:
「ふふ、それは私の役得よ。彼のような有能な方が隣にいれば、陛下も『これは公務の一環だ』と言い訳ができるでしょう? つまり、これは陛下を守るための私の『優しさ』なの……ね、4日後のバッキンガム宮殿が楽しみになったでしょう?」
K子様は溜息をつきながら、窓の外を見つめて
K子様:
「……でも、もし本当にそんな機会が訪れるなら……私、陛下に何をお話しすればよいのでしょう」
K子様の瞳には、抗議の色の裏側に、隠しきれない期待と、夜のバッキンガム宮殿への淡い憧れが浮かんでいました
#### D-DAY+165 PM 16:00:総理官邸、緊急閣僚・宮内庁会談
D-DAY+165、午後
イギリスからの衝撃的なニュースと、国内の切実な訴えが交錯する中、総理官邸の一室で極めて機密性の高い緊急会議が開かれました
出席者は、K首相、官房長官、宮内庁大夫、そして楽園島の医療権限を預かった侍医A先生とB先生 モニターには、バッキンガム宮殿前で歓喜に沸くイギリス国民と、日本国内で「我が子を助けて」と訴える家族たちのニュース映像が静かに流れています
官房長官:
「……状況は極めて深刻です。バッキンガム宮殿が『王室医療チーム』による難病児救済を開始したという報を受け、SNSや官邸への投書が爆発的に増えています『なぜ日本は楽園島と協力関係にありながら、イギリスに遅れを取っているのか』と。白血病や先天性心疾患を抱えるお子さんのご家族からは、悲痛な叫びが届いています」
K首相は険しい表情で発言した
K首相:
「楽園島とのパイプは太いつもりだったが……『医療の提供』という最もデリケートな部分で、イギリスに先を越されたのは痛い。大夫、今日、朱雀陛下とお会いになったそうですね。進展はありましたか?」
宮内庁大夫:
「はい。実は、本日午前、仙洞御所にて朱雀陛下より驚くべき提案がなされました……侍医のA、B両名に対し、イギリス王室と同等の『医療ベイ限定操作権限』を付与する、とのことです」
K首相・官房長官:
「……!?」
首相と官房長官が顔を見合わせました。それは、日本政府を飛び越えて「皇室」に直接、最強のカードが渡されたことを意味します
侍医B:
「……ですが、首相。手放しで喜べる状況ではありません。朱雀陛下は『これ以上の医療ベイの追加設置はしない』と明言されました。つまり、日本国内で難病を治療できる場所は、現状、仙洞御所にある一台の医療ベイのみ。しかも、操作権限は我々侍医にしかありません」
K首相:
「大学病院や国立医療センターに広げることはできないのか?」
侍医A:
「陛下はそれを明確に拒否されました。『技術をバラ撒くつもりはない。これは日本における皇室の強化である』と。我々に与えられた権限も、診断結果を確認した上で、治療の実行ボタンを押すか否かの判断を委ねるという限定的なものです」
官房長官:
「……なんということだ。朱雀陛下は、日本において『命の選別』と『救済の権威』を皇室に一任しようとしているのか……」
K首相:
「(沈思黙考の後)……侍医B先生、医療法との兼ね合いはどうなりますか?」
侍医B:
「極めてグレー、いえ、現行法では真っ黒です。未承認の異星技術による一般国民への治療は、本来認められません。しかし、仙洞御所内での『皇室による慈悲』という形を取れば、法を超越した特例として整理する余地はあります」
K首相:
「……そうか。朱雀陛下は、私に『政治的決断』を迫っているのだな。イギリスと同じく、皇室の『恩寵』としてこの医療を機能させろ、と」
宮内庁大夫:
「朱雀陛下はこうも仰いました。『運用面での課題は自分で克服してほしい、必要なら総理への働きかけも協力する』と。つまり、首相がこの『特例』を法的に認める覚悟があるなら、陛下は背中を押してくださるということです」
K首相は目を開き、力強く机を叩いて強く発言した
K首相目を開き、力強く机を叩く):
「……決まりだ。国民を見殺しにはできない。官房長官、直ちに検討を開始してください。仙洞御所に『皇室難病救済センター(仮称)』を設置し、侍医が選定した緊急性の高い児童から順に受け入れる。これは政府の事業ではなく、皇室の『御下賜医療』として発表する」
官房長官:
「……よろしいのですか? 皇室の権威が、政治を凌駕するほどに高まってしまいますが」
K首相:
「今はそんなことを言っている場合ではない。それに、朱雀陛下という『異星の王』と渡り合うには、この国の『伝統的な権威』を強めるしかないのだ……侍医の先生方、重責となりますが、日本の子供たちを頼みます」
侍医A・B:
「……御意。全力を尽くします」
2026年二回目の投稿です
本作は遂に80万字を突破しましたが、総合ポイントはまだ74ptのままです(苦笑)
自己満足のノリで書いているので、よかったら最初のフックがたりないとか、もしくは物語のシナリオの課題を感じたらコメントで指摘してもらえば、著者の私の為になります
というわけで今年もよろしくお願いします




