表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/109

8-5.

「あ!」「?」

 俺に介添えされて自室に入った咲紗は、何かに気付いて声を上げた。

 指差すベッドに並ぶ枕がふたつ。咲紗のと俺の。

「心ばかりの物を置いておきやした。お励み下せぇ! では、御免なすって

 グフフッ」

「……」

 玲奈、随分とキャラが変質したな。何を置いたって? 

 訝る視線の先、ヘッドボードにふたつの小さな紙袋。

 座らせた咲紗と中身を改めた。

「う!」

 二人して同じ叫びが漏れた。手にしたのはコンドーム。

「咲紗、これ」

「そんなの必要ありません! 玲奈~!」

 咲紗が怒った。まずい。

「咲紗、傷に悪いから。落ち着いて」

「……、まったく、あんにゃろめ」

 別の袋から物を手した。

「これ、紙パンツ? おむつ? 赤ちゃんプレイで、お楽しみ、しろってか?」

「ち、違います……。いや、違わなくて……。あれ? 随分マニアックなのご存知ですね」

「うっ」

「それはですね、その……、えっと、私が――、私が」

 言い淀む咲紗は頬を赤らめ俯く。なるほど、確かにそれは言い辛いだろうな。


「咲紗、誰にも絶対言わないって約束するから安心して」

「? ――はい」

「咲紗が穿いて赤ちゃんプレイでバブ~って」

「そんな訳ないでしょう!」

「えっ おかしいな……」

 お怒りモードから復帰した咲紗の声が急に小さくなった。

「それは――あの……。トイレ、間に合わないと、漏れちゃう――――」

 それはデリケートな問題だった。

「ちゃんと答えて。排尿障害があるの?」

「ないです。ただ、一人でトイレに向かうのは時間が掛かりますので、あれば

安心――」

「これから毎晩隣に寝るよ。トイレに行きたくなったら起こして。どうせ俺寝相悪いし」

「いえ、そんな、玲嗣さんのご負担に」

「風呂で見ているんだからトイレくらい見られたって恥ず」

「入浴と排泄(はいせつ)は全然違うんです。崖と一緒にデリカシーも崩れましたか?」

 咲紗はぷいっと顔を背けた。耳が少し赤い。

 そんな咲紗を見ながら思う。

 俺、デリカシー、ないの?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ