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6-3.

「で、咲紗とどうなりたい?」

 乱取りで接近する度訊ねると、小さな声で、分からない、と白鳥は告げる。

 考え込んでいるのか白鳥は気も(そぞ)ろだ。こんな俺でも技を掛ければ投げ飛ばせるだろう。

「もし、恋人同士に、なれたら、いずれ――」

「うん」

 白鳥も健全な男子だ。親愛の度を深めたら、いずれセックスも、と見込んだ俺の想像を超える答えが返ってきた。

「奥さんにしたい」

「――ぅえっ?」


 体の奥底から全身が一斉に波立った。気付いた時には白鳥を畳に倒していた。

 手を引いて起こした今でも心乱れて落ち着かない。

 倒して済まない、と謝ると周りに聞かれない配慮だろうか白鳥が耳元で聞いてきた。

「玲嗣は、咲紗ちゃんの事、好きなのか?」

「そんな――」

 そんな筈ない、そんな当たり前の事、そんなの分からない。

 口を突きかけた言葉を飲み込むと、照れもあって偽りを告げた。


「そんな感情、親戚の俺達にはないよ」

 それは嘘だ。咲紗へ抱く整理し切れない感情が根強く残っている。

 対外的には和泉家の親戚だが、いなくなった生活が想像出来ない。


 幼少時のあの事件に遭った時の様に、いないと狼狽えて腑抜ける。

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