5-1.
どう見ても……、似ているよなぁ。
メンバー全員がクラウドフォルダにアップロードしたクリスマスパーティの
映像。
藤森さんの様々な表情をしっかりと見た上で、比較対象と見比べると矢張り似ていると思う。その似ている度合いが、何も知らない人なら同一人物だと判定するレベル。
入学式の初対面で気付いて以来、藤森さんと接する度、母そっくり疑惑が自分の中で膨らみ続け、現在母の過去映像データの捜索と参照中。
「玲嗣、ママの画像探しているの? ギリギリ際どい奴ならR18フォルダに
あるよ」
「えっちでない普通のやつ。母さんの高校時代の制服姿とかあったら見せて」
「探してみるね……。画像検索が終了しました。該当件数は0件です。普通なの
ないんだってさ! 成熟した女のえっちな制服姿ならいっぱいあるよ!
R18フォルダに!」
「なぜ年齢制限フォルダに誘導する? どんなえっちな事していたんだよ?」
「そんなに聞きたいの? じゃあ、まずはねぇ」
「言わなくていいから。聞きたくない!」
毎度恒例のじゃれ合いを終え、母と藤森さんそっくり疑惑を教えて欲しいと
切り出した。
「この映像の子、母さんに似ていると思うから見て欲しいんだ」
「どれ、見せて」
覗き込む母親AIに藤森さんの映像を見せた。
「凄く綺麗な娘さんね。なんか、私の若い頃に似ているかも……って、自分の事を自分で綺麗で若いだなんて。誰も言ってくれないから言っちゃった~!」
やはり話題を逸らそうとしているのが分かった俺は仕掛けてみた。
「母さんの遺伝子をコピーした様にそっくりだね」
母親AIを注視しながら言う。さぁ、どう反応するか。
「そんな事ないと思うけどなぁ。御両親が美男美女だったのかしらね」
そう言うと、ふ~ん、とか言いながら、しげしげと藤森さんの映像を見ている。
結構面の皮が厚いと思いながら食い下がってみる。
「美人要素が遺伝したならこうなるんじゃない?」
「素敵な美人女性が答えます。って、自分で言って笑える! これは偶然じゃないかな」
手強い。こうなれば動揺させるか。
「この前この人が家に来た時、機能停止していたけど、何かあったの?」
「思い当たる事ないけど、たまにフリーズしたりするのよね。闇落ちって言うん
だっけ」
それ違う、と切り返したものの、矢張り逸らされる。
母親AIは中々タフだ。何か隠している様だ。無駄に高性能だ。
観念した。




