4-5.
「玲嗣ごめんね」「何が?」
帰路の駅前で突然告げられた。
「部活動忙しいし、週末は仕事で埋まってデート出来ないし、クリスマスは家族と食事に行くって言ってスケジュール空けて貰ったけど」
申し訳なさそうに口籠るので、そんなの、謝る程のものかな? と返せば、
「白鳥咲紗組は頻繁にデートしているのにさ。玲嗣の彼女失格だよ」
はあぁ~。
吐息混じりに藤森さんが告げれば、後ろを歩いていた咲紗がデートじゃないですと言う。
「御要望に応じて一緒にお買物したり、一緒に見た映画の批評をしたり、お食事しながら雑談したりする程度ですよ。あとはですね」
ジェットコースターの加速度を体感したり、観覧車からの視程距離を目測したり、クレープの構成具材と味付けを食べ比べたり――――。
咲紗の報告が進む毎に藤森さんの表情が険しくなっていく。
「そう言うのをデートって言うんだよ」
「えっ! 日本のティーンエイジャーはそうなの?」
「どこの国の年寄りだよ?」
素っ頓狂な声で驚く咲紗は天然なのか分からないが、もうちょっとボリューム
下げて欲しい。周りが全員こっち見た。
「ぐへへへへ。で、この先、お二人はどう言う関係になっちゃうのかな~?」
コーヒーショップに響く怪しい声に店内の客が周囲を見渡し始めた。
藤森さんに聞かれた咲紗は、意味が分からないのか視線だけで俺に訊ねてきた。
クラスメイト、恋人同士、フィアンセ、夫婦。どのステージに上がりたいのかと言葉で補足した。
俺の目を見ながら静かに聞いていた咲紗だったが、小さく首を横に振った。
俺も藤森さんも、なんで? と思ってテーブルに身体を乗り出して耳を欹てた。
「お友達止まりです。私にそれより先はありません」
白鳥はロリ巨乳どストライクだって言っていたよ、と藤森さんが水を向けた。
「私より、もっと相応しい素敵な女子が必ずいますから」
立ち込めていた雲が切れて陽が射す様に晴れやかな顔つきになった咲紗は、このお話はここまでにしましょう、と続きを断ち切ると、クリスマスはお友達全員自宅に呼んで楽しみませんか? と提案してきた。
「お料理たくさん作りますよ。二四と二五日は土日ですから泊まって頂いては如何でしょう? 旦那様に御了解を頂くのをお願い致します」
咲紗はそれまでの話題を逸らしたいから話を一方的に変えた。
俺は追求せずに、その場から父に了解を取り付けた。
「当日はセクシーサンタで伺うね!」
「露出狂らしく、盛り盛りの際々で、署までご同行願われろ!」
店を出た女子高生二人。かなり際どいピンクな応酬。




