悪いのは誰?
最近、イベントが重なってるせいか多少外食が多い。
外食といっても・・・といった感じなのだが、ソトで完成したメシを買い食いするなら外食というなら、外食だ。
そして先日、なんかヒドイ店にでくわした。
今回の話の趣旨はこの店をすっぱ抜くというものではないから具体的場所は言わないが、とあるマクドナルド。
まずは起きたことを淡々と話すと……。
入店してカウンター周辺に来ても「いらっしゃいませ」なし。だれもこちらを向こうともしない。
マクドナルドって「いらっしゃいませ」言わないんだっけ。でも「ご注文お決まりでしたら承ります」くらいは以前はいわれてた気がする。
レジカウンターに進み出ても誰もこないし、面白いから声かけずに待ってみたら三十秒くらい?ようやく店員の一人が声をかけてきた。
それでも「いらっしゃいませ」なし、スマイルなし。「うかがいます」の一言。
注文をすると、待たされる。四人分だからそれなりに多いので、注文が前後したことはまぁしかたない。
ようやく呼ばれて行ってみると、店員、氷のマックシェイクとハンバーガー系統を同じ袋に入れてよこした。
とりあえず以上。一つも盛ってない。
店員に言わせりゃ「うっせえ、うっせえ、うっせえわ!」かもしれないが、俺の客商売アルバイト時の基本は、もはや平成の遺物と化したのかと思うほどの、徹底的なおざなりさに、つい筆が進んでしまった。
いや本気で、ガラガラの店内見てても特別忙しそうな風もないのに、客を目の端に映しても知らん顔ってすごいなとは思える。(いやいや、気づかないとか同罪だからな)
それでも、普段日本のサービスは行き過ぎだと思う俺としては、別にそれをクレームとしたくて筆を進めているわけではない。
では、何がいいたいかというと、ここから感じる、今の商売のゆがみだ。
「これ、何が悪いの?」って思ったとき、そりゃ悪いのは店員の質なんだが、それだけじゃない。
これを教育できない店長が悪いかといわれれば、それだけでもない。
マクドナルドという企業が堕落したのか、それとも政治が悪いのか、日本が悪いのか。
全部総合して、ダメなんだろうなと思うところが根深いんじゃなかろうか。
と、ここまで書いてたら、いつもの、
「こんなの、ずーーっと言われ続けてるんだろうな。百番煎じくらいのことを「新発見!」みたいに言うのってダセーな」病が始まる。
ここ数年、このコーナーが"このコーナーにふさわしい内容で"更新されないのも、書いてるとそう思ってくることが多いからだ。いやもう、結構800文字くらいは書くんだよ?……でもいまさら感。
……なのだが、コロナ以降年末年始に多大な時間ができてしまったため、今回はそのまま突き進んでみようと思う。
まぁさ。まず店員の質が悪いことは間違いない。客見りゃ挨拶するのなんて当たり前だ。冷たい飲み物の隣にハンバーガーくっつけて袋に入れたらイケナイことも当たり前だ。そんなことは特にマニュアルがなくたって、と思うのだが、マックの常識は違うのか?
じゃないよな。おそらく彼らにとっての仕事は「仕事場にいることが仕事」なのだ。与えられたことをすればいい。それ以上のことはする必要もない。
でも、何をやったって給料も上がらなければ評価もされない、昇進もしないでは、社会主義国家の働き方と体系が変わらないわけで、これでモチベーション上げなさいといわれてもね……ということは俺でも思う。
おまけにクレームがあれば客に非があれど店員が割りを食うという利益優先の企業理念。その元凶は、物言う株主が怖い、"株主総会"だったりするんだろう。
"スジを通しても一銭にもならない。すべては利益(客)"な現場では、末端の店員なんて誰にも護っちゃもらえない。忠誠心など生まれるはずもなく、「ミスさえなければいい」という働き方になることを、どうしたら糾弾できるのか。
娯楽が充実しきった世の中で、昇進が人生の目標になりえない流れができてることもあるだろう。「食うだけ働ければいい」というという発想では、使命感は生まれまい。それで生きていける世の中なんだから、落ちぶれたとはいっても日本がまだまだ裕福な証拠なのだと思う。
裕福な日本がゆとり教育を呼んだ。円周率が3であることそれよりも、何かと過保護な教育現場が我慢の限界を押し下げさせ、ジジイから言わせりゃニホンジンはホントに小さなことでも我慢ができなくなってしまった。これだって、"働き方"に、影響を及ぼしていると思う。
被雇用者側にしてみても、いまや最低賃金のアルバイトは人材確保が困難だ。
誰もやらないらしい。質を選ぶ余裕もなく、「最低賃金を上げろ上げろ」という、現場も知らん政治家の無責任もあいまって、時間当たりに入れられる人員を減らさなければならない状況にも追い込まれている。
人が減ればそれだけ現場はテンパるし、質も低下する。
さらにこの「最低賃金を上げろ上げろ」運動は思わぬ副産物を生み出していて、とある社長曰く、
「最低賃金が上がることによって、「食うだけ働ければいい」層の就労希望時間が減るんですよ」
らしい。短い時間で今までと同じ額もらえるなら、長く働く気も無いということだ。しかもこの話にはオマケもある。
「扶養控除を受けてる人が壁を突破しないように、11月12月は仕事を控えるんですが、賃金が高くなることによって、その額を早期に達成してしまい、結局働けなくなる期間が増える」
……「最低賃金を上げろ上げろ」政策の、思わぬ落とし穴に苦しんでる被雇用者は、実は多い。
何より根深いのが、昨今独り歩き極まりない『パワハラ』という免罪符だ。
こういう話があった。
「後輩社員が連絡もせずに遅刻したんで、そのことを怒ったんですよ。そしたら俺の方があとで上司に怒られました」
なんでもかんでも、上が下を叱れば"パワハラ"。遅刻するなら連絡する(そもそも遅刻しない)という常識すら覆し、下が権利を主張する時代だ。
とある小学生が、
「先生が「うるさいぞ! 黙って聞け!」と言ったから、それはパワハラじゃないかなって思いました」
と言っていたが、これだって状況によるだろう。どんな状況においてもこんな言葉さえ教師が生徒に吐いてはいけないのでは、どうやってあの無駄話の絶えない小学生たちを指導できるというのか。
もちろん、実際に行き過ぎる馬鹿教師もいることは間違いない。しかしそれもこれもすべて十把ひとからげに"パワハラ"で片付ける世の中で、どうやって店長は店員の教育などできるというのか。
働く意欲のない店員、意欲をなくすシステム、システムと社会通念に縛られる店長、利益追求をせざるを得ない企業、それを走らせる株式会社というシステムの飽和、現場を知らない無責任は立法府(政治家)、我慢をしなくなった社会、働くより楽しいことであふれてる世界。
うん……根深いわ。




