魔王と姫のホラー作品
魔王様(♀)と姫(6)が、このたび、物語を描くことにしたらしい。
無冠の文豪と呼ばれた矢久の娘たちなのだ。さぞブリリアントな感動巨編を描き上げるのだろう。
何の影響かは知らないが、どうも少し怖い話にするらしい。『小説家になろう』でジャンル分けしたら"ホラー"ということになろうか。
ところで俺には分からない心理なのだが、なぜホラーというジャンルって根強いのだろう。遊園地のお化け屋敷もそうだが、なぜ人間はわざわざ自分を恐怖のどん底に陥れたいと思うのだろうか。
矢久は別に特別怖がりというわけではないのだが、進んで不気味なものを見たいという心理を持ち合わせてないし、化け物にもあまり興味がない。実際に存在するか否かという話ではなく、そういう恐怖に楽しさを感じない。
ともあれ、二人は怖い話を描くらしい。ちなみに矢久の影響ではない。あの二人は俺がモノを描いていることなど知らない。
まぁ、小さいころはみんななんでもやるよな。マンガも描けば、ヘンな作曲もする。……何もが遊びなのだ。そう思うことを忘れ、費用対効果を考えるようになったころ、ツマラナイ大人となるのだろう。
魔王様(♀)は、どちらかといえば、何をするにも正攻法だ。面白みはないが危なげもないといった安心感がある。オンナノコだからそれでいいんじゃないかと思うけど、イマドキそういうことを言うとジェンダーがどうのとか騒がれるんだろうか。
そんな魔王様(♀)の描く怖い話の題名。その名も!!
『のろわれたじごく(呪われた地獄)』
タイトルからしてすでに救いようのない雰囲気を醸している。地獄が呪われたらどうなるんだ。
<永遠の苦しみを言い渡されて辛苦にあえぐ亡者たちに、明日が来ない呪いが降りかかる……!>
……たぶんそれ、もともと永遠に苦しむんだから相乗効果にならないから、実際はそんな甘いものではないのだろう。相手は魔王と呼ばれた女だ。矢久など思いもよらない地獄を知っているに違いない。
彼女がどのような地獄を描くのか。楽しみにしておこうと思う。
一方の姫(6)は、魔王様(♀)が直球だとしたら変化球だ。まぁ、まだ年齢が幼すぎて、まともな思考ができないからだけかもしれないが、感性がすごい。
たとえば姫と魔王様の会話。(しゃべり方は脚色アリ)
「ねぇ魔王様。貴女、お尻が見えるパンツとお尻が見えないパンツはどちらがよろしいですか?」
「お尻が見えないとどうなるのじゃ?」
「姫になれます」
……よく分からないがすごい。
さらに、魔王様(♀)が学校で習ってきた(?)のか、「梅はうめぇ」「布団が吹っ飛んだ」などのダジャレを言い出したとき、姫(6)が大得意で放ったダジャレが
「トイレがトイレン」
「わにがわにーん」
……このすごさはライブじゃないと伝わらないかもしれないが、トイレがトイレンと言い放たれたとき、茶の間は一瞬凍りついたくらい(?)、面白かった。
ともあれ、そんな変化球な姫である。
彼女が描く怖い話。その突き刺さり方はさぞひねくれているのだろう。お題からしてこちらだ。
『なぞのいか(謎のイカ)』
ご多分にもれず、親バカ全開で笑ってしまった。……なんだ謎のイカって。
イカは、足が十本の海の生物で間違いなさそうだ。すでに表紙が完成していたが、左上で不敵に笑ってる十本足の頭には『いか』と書かれていた。
6歳の巨匠が満を持して放つ、大スペクタクル謎のイカホラー。
……どのような恐ろしい話を描いてくれるのか。……考えるだけで恐ろしい。
彼女がどのようなイカを描くのか。楽しみにしておこうと思う。
以上二作品。親バカを差し引いて本気で鬼才を感じた場合のみ、続編を書こう。




