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ちょっときいて  作者: 矢久 勝基


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自分の軌跡

 なんか、『小説家になろう』に掲載してみようかな……。

 とか、思った。

 昨日、勢いで『目隠しマラソン(一つ前の稿)』を書いていて、ふとそう思ったのだ。

 インターネットが一般化してから、世の中にはホームページを皮切りに、ブログの時代があって、フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどのSNSがはびこった。

 失礼な言い草だけど、自分のパソコンのメモ帳や、家にある日記帳にしたためておけばいい内容であることがほとんどだ。しかし、その駄文文化は瞬く間に世界のスタンダードとなった。なぜか。

 少なくとも発信側にとっては、自分が考えたことを、"無かったこと"にしたくなかったからじゃないのか。


 もちろん、インフルエンサーだっけ?……マジでインフルエンザが語源だと思っていたSNSの権威になるために行っている人や、アフィリエイト収入から一攫千金を求める人は、もっと意図的なものを考えているつもりだろう。しかし、アナログ時代には"無かったこと"にしかならない情報が利益につなげたいという発想自体、やはり、自分が考えたことを"無かったこと"にしたくないという発露ではないかと思う。

 受け手も、それらを灯台にしてコミュニティを作ることが自然となった。


 『小説家になろう』への掲載も、そういう心理の人も多いんじゃないか。

 私は最近の作品をほとんどアップしていないが、昨日述べた通り最終選考にでも通らない限り、誰も、私がどんな作品を描いたのかを知る由はないし、誰も知らなければ"無かったこと"にしかならない。

 ネットに文字を残すという行為は、人に読んでもらいたい……だけじゃなく、自分の描く軌跡を"無かったこと"にしたくないがための掃け口を求めたものなのではないか。

 『小説家になろう』のコンテストを目指すために作品を投稿する人もいるだろう。私ももともとはそうだったが、実は本気の層は全体を俯瞰してみれば大した割合ではないと推測する。


 自分の軌跡が"無かったこと"になる空虚を、私は感じている。

 ただ、私にとって作品は、誰がなんと言っても、私自身は商品として見なしている。私に可能性があるうちは、基本的にタダで提供する気はない。

 でも、この空しさを紛らわすにはどうしたらいいだろうと思った時、日記にしたためておけばいいことを、アップしてみてもいいのかなと思えた。

 勘違いされたくないのは、その行為を馬鹿にしているものでは決してない。今までの私はそれを無意味と思っていたが、その有意義の可能性に、いまさらに気づいたと言うわけだ。(いやまぁ、このエッセイなんてそれに近いんだけど……(苦笑))


 また"新着小説"とかで、お気に入りユーザーの項目に迷惑をかけてしまうこともあるかもしれないが、ご容赦願いたい。なにかを、考えている。

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