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ちょっときいて  作者: 矢久 勝基


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姫(2)のお店屋さん(傍若無人)

「わたしはこのお買い物セットで遊びたいのです」

「あ、どうぞ」

「あなたと遊びたいのです!!」

「え? あ、はい、わかりました」

「このお品物カードを並べますので、あなたは欲しい物を買ってほしいのです」

「品物カード? ああ、小さな紙にたまごとかにんじんとか描かれたカードですね?」

「なにがほしいですか?」

「結構種類ありますね。じゃあ、カレーを作りたいんで、カレールーとジャガイモとにんじんください」

「デザートにたまごも買っていきますね?」

「勝手に増やさないでください! しかもたまごはデザートになりません!」

「牛乳も買いますね?」

「それ、くすりって書いてあります!!」

「いえ、牛乳です」

「液体がオレンジ色じゃないですか!!!」

「お菓子も買っていきましょう」

「ああ! 無理やり買わされていく!!」

「ついでにこれも買いましょうね」

「あるもの全部じゃないですか!!」

「いいのです。わたしも食べますから」

「ええ!?」

「何か?」

「店員さんはうちの家族ですか!?」

「店員さんではなく、姫(2)です」

「店員さんはどこに行ったのですか!?」

「あなたが店員ですけど、何か?」

「いつの間にか逆転してるーー!!」

 しかたないので会計を始める元客。

「5980円になります」

「お金もかごに入れてください。持って帰りますから」

「違うのです! 品物を買う時にはお金はこっちに払うんです!」

「いいから持って帰ります!!」

「しかも買い物かごを家に持って帰るのはおやめください!!」

「他に入れるものがないのでしかたないじゃないですか!!」

「ならせめてお金は払ってくださいーー!!」


 おまけ


 姫(2)は洋服タンスを前にして、私に声をかけた。

「すみませんが、あなたにお願いがあります」

「はい、なんでしょう」

「こっちのタンスは背が高いけど、あっちのタンスは背が低いのです」

「はい。それで?」

「それだけですが、何か?」

「……それはお願いとは言いませんね……」

 覚えたての言葉やフレーズを、とにかく使ってみたいお年頃だ。



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