私、橘楓。 vol.089. 「場所…お借りします。」
校長室のドアをノックして、そのまま入る相磯。
「失礼します。」
「おや…、相磯先生…。ん…、陣内先生も…。これは、これはいらっしゃい。…で…???」
「校長、すみません、ちょっと、場所…お借りします。」
「はい…???」
「陣内先生のシャツのボタンが取れていて…。」
「ん…???ははは…、そう…。うんうん、ご自由に…。」
「…って…、校長…あの…、私…。」
「…ん…???あ、ははは…、大丈夫、気にしないで、優美子に任せなさい。」
「えっ!!!優美子って…、その…あの…、どういう…へっ…???」
「ごめんなさいね陣内先生…。私と校長…、いえ…奥山眞理子は、従姉妹同士なの…。」
「…と、もう1つ…、殆ど…姉と妹の…間柄でも…ありますけど…。歳の離れた…。」
机の上に両肘を着いて奥山。
「はい…???こ…校長先生と…相磯先生…、い…い、従姉妹…???…え――っ!!!」
その陣内の声の途中から既に、
「先生…早くシャツ脱いで…ボタン、付けますから。」
相磯から急かされるように、そして、かしこまる陣内。
上半身ランニング姿の陣内を見て、
「あら…、陣内先生…、中々良い体…してるのね…。優美子には勿体ない…。」
最後の方は小さく…奥山。
「んもう~陣内先生…まだなのかな~、始まっちゃうよ~。時間…間違えてないよね~!」
そわそわしている朱実。
「大丈夫よ、まだ10分あるから。」
会場を見回しながらそういう楓。
「へぇ~結構観る人…いるんだな。」
コチラもあちこち見ながらの慎二。
「う…うん。」
ボソッと言う智志に…。
「…ん…???なんでお前ぇが緊張しなきゃなんねぇんだよ、かかか。」
「…いや…別に…、緊張なんか…してねぇけどさ…。」




