私、橘楓。 vol.084. 偶然にもスポーツ用品店。
新居と聞いただけで飛び上がって喜んだ楓…、
ではあったのだが…。
そばにいた母の弓枝に、
「あれ…、あんた確か、明後日は陽子ちゃんたちとスイーツ食べに行くとか、どうとか…???」
その言葉を聞いた瞬間、
「げっ!!ヤバ…。…そう…だった…。あ~ん。」
結局、美味しいスイーツはキャンセルとなり、楓は家族と共に新婚夫婦の新居へ…。
「今頃…楓…新居だね~!」
新婚夫婦のマイホームをイメージしながらの朱実…。
「いいなぁ…新居…。」
「何デレーっとしてんのよ、着いたよ、ここ。」
右肩を陽子の左手で叩かれ…、
「おっ、はいはい、ここだ、ここだ。」
「あれ…、慎二…、お前もここに…???」
「ふん…???なんだ、智志~どしたの…???」
「ボールとシューズね…俺は…。」
慎二と智志が偶然にもスポーツ用品店で…。
「そっか…俺は…スパイク。結構…ガタきてっからな~!」
「俺はもう…ボールボロボロ…。」
「かかか…、お互いに…派手に使ってっから…。」
「ふふ…まぁな…。」
「美味しかった~もう…最…高~!」
満足気にニコニコ顔の朱実、お店を出てご機嫌顔。
「楓にもテイクアウトで買ったし。明日までは美味しく食べられそう…。」
そう言いながら陽子。ゆっくりと歩きながら…。
5分くらい歩いた時、
「ちょ…、ちょっと…朱…。」
「…ん…、うん…。」
朱実と陽子を両端からゆっくりとその歩調に合わせて歩く見知らぬ男性。
「…や…、やばいよ陽子…これって…。」
「うん…、どうす…。」
その瞬間、
「走ろう…陽…。」
と、した瞬間に…、朱実のすぐ前に長い腕が…。
「おぅ~っと…。」




