私、橘楓。 vol.083. 限定販売のスイーツ。
学校帰りに公欠で休んでいた大輔からメール。
「やられたよ、明和に完敗。」
「そっか~!大が出てても…、駄目だったか~、やっぱり…強いんだ、明和。」
メールを見ながら楓。
「何てったって、去年の準優勝校だからね~!あ~あぁ、終わったか~高2の夏も~!」
思いっ切り両腕を空に向けて伸ばしながら朱実。
「しっかし…、誰よ、あの子…、妙にすばしっこいし、ボールさばき…凄かったよね~!」
「うん。」
「さてと。今度は私の番か…。」
楓の左隣で歩きながら言う陽子。
「11月だよね、演劇コンクール発表会。」
と、楓。
「陽子、ガッツだぜ。」
右手で拳を作ってガッツポーズをする朱実。
「うん。…あと…1ヶ月半…、か…。」
「あっ、これいい、いい。ね、大、見てコレ!!!」
ショップの店先のレディスグッズを見て楓。
「ほっほう~、こういうのも…ある…か。ふ~ん。」
「どうよ、どうよ、これ…ほら…。」
「はは…楓なら、何でも似合うよ。」
「うっそ~~!!!」
そして、歩きながらふらりと入ったカフェで…。
「そうなんだ、じゃ、大の2番目のお姉さんって、来年、大学なんだ。」
「うん、だからただいま猛勉強中。」
「そっか。綺麗な人だよね、大のお姉さんって!!」
「プッ!?えっ、え~~!!!」
「な~に吹き出しちゃってんのよ~!かかか。」
「な~んか感じ違うよね~楓がいないと…。」
朱実と2人で限定販売のスイーツを食べにショップに向かいながら陽子。
「まっ、仕方ないや~な、新婚夫婦のご招待とあらば。」
季節は秋。10月下旬の土曜日の午後、
3人で以前からチェックしていた限定販売のスイーツを食べに…。
ところが丁度その日の午後に、橘家全員が新婚夫婦の新居に、招待を受けたのである。
楓、
「えっ、新居!!!!」




