私、橘楓。 vol.079. 「旦那も旦那なら女房も…。」
「五月野…ひとりだけの稽古って…、もしかして…、発表会でもあるか…???」
流れるメロディを聴きながら楓…。
「だってさ~試合にあんな風な恰好で、普通…来るかな、若い女性が…???」
ぶつぶつと言っている朱実に、楓。
「あっ、そっか、あの時の優美子先生…あの洋服…。」
「でしょでしょ、そう思うでしょ楓だって~!」
その朱実の言葉に楓も…、
「う~ん。」
思わず腕組みをして…。
「何々…どうしたのよ、ねぇ~???」
と、陽子。
「実はね……。」
先日のバスケの試合に来ていた相磯の事を陽子に話す朱美。
すると陽子も…、
「えええ…、じゃ…優美子先生…、ほんとに…陣内を…???…うわっ!!」
「わっ、すげ~!ま~た決めたよ大ちゃん。や~るね~!」
大輔が放つスリーポイントが決まり、指差して楓の顔を見ながらはしゃぐ朱実。
「ん~、良い感じ。こりゃ、敵さん…追い付けないねぇ。」
朱実と陽子の真ん中で楓。
「あっ、またこっちボール。」
陽子のその声でゲームセットの笛の音。
「ヨシ。3回戦進出…っと~!」
そう言いながらガッツポーズを取る朱実。
「あっ、大ちゃん、こっち見て手ぇ降った~!」
そんな陽子の声と同時に大輔に手を振る楓。
そして、片や…、
「何なのよこれ…???旦那も旦那なら女房も…ここまでやるか~!!!」
朱実がそんな言葉をぼそっと口に出す程に、楓のプレーは調子が良かった。
そして、得点をする度に、2階の席で見ている男子部員たちの中の、
大輔の方に顔は向けられていた。
前半ハーフが終了したところで、
「楓~どう…???どうなってる…???」
手を振りながらチームに歩いてくる陽子。
「あれ…陽子…???良く入ってこれたねここ…???」
そういう楓の声に陽子、
「ほら…。」




