私、橘楓。 vol.073. 「ちょっと、ここ、座って…。」
「誘導尋問…。あっちゃ~~!この…バカたれ。」
自分の頭をペンと叩きながら朱実。
「いいじゃない、あなたたち3人共、可愛くって綺麗なんだから、彼氏のひとりやふたり…、いたって当たり前だと先生…思うんだけど…。」
「優美子先生…、その言葉…ちょい、刺さるけど…。」
下唇を前に出しながら悔しがる朱実。
「はいはい、まずは…楓ちゃん、着てみてそれ。」
「うん。」
「わ~お、良い、良い、完璧~!」
目を真ん丸にして朱実。
「へへ…どお…???」
「いいんじゃな~い。うん、おっけ~!」
腕組みしながら、楓の全体を上から下まで見る相磯。
「じゃ、楓ちゃん、ちょっと、ここ、座って…。」
椅子の上をトントンと叩いて、
そう言いながら自分のバッグを持って、中からポーチを出す相磯。
「はい…???…あっ!!!そういう事か…。」
相磯が自分に、何のために付き合うか、その理由に合点がいった楓。
「折角の結婚式だもの、ちょっとはね~。お節介だけど、ちょっとお手伝い。」
楓の顔と髪に高校生らしくもあるが、少しだけ化粧を施して相磯。
「すげぇ~楓~、先生~上手~!」
両手をガッチリと組んでニコニコ顔の朱実。
「ヨシ。こんな…感じかな~!いいんじゃない、楓ちゃん。」
そう言う相磯に、
「楓、楓、ちょい、ちょい、こっち!!!」
楓の右手を引っ張る朱実、隣の女子トイレに。
「うはっ、へぇ~いいわ~!」
鏡の自分を見て笑顔になる楓。
「ねね、おっけーだよ、おっけーだよ。」
自分の事のようにはしゃぐ朱実。
「気に入ったかな~???」
トイレに入ってくる相磯。
「ありがとう優美子先生~!!!」
「うん。」




