私、橘楓。 vol.069. 「ありがと…大。」
「あっ、な~るほど~、オーバーオールのお洒落版…って事か~!」
「私なら、こっちの3段フリルか白テープ付きのワンピを選ぶつもりでいたけど…。大はこっちか!」
「えっ…???いやいや、楓が自分の好きなので良いんじゃない!」
「ふ~ん、どうしよう…???オールインワンか、3段フリル…、それとも白テープ付き…。」
3枚、ハンガーの首を持って、大輔を見る楓…そして…店員をもチラリと見て…。
「俺だった…。」
その大輔の声とほぼ同時に…、
「ご参考までに…、私だったら…。」
と…。
「これ。」
「こちらが宜しいかと…。」
楓…、
「あら…店員さんまでこっち…!」
「あっ、いや…こりゃ参ったなぁ~。」
照れながら、頭の後ろを掻き、 大輔。
「なんで大が照れんのよ、はははは。」
「いや…、店員さんも俺が良いって言ったの選ぶなんて…。」
「じゃ~これに決め。うん。」
ショップを出ながら…、楓、
「ありがと…大。」
そして大輔の右腕に自分の左腕を巻き付けて、
そして大輔の右手を握る楓。
ボールがゴールリンクのネットに「ザッ!」
「ヨ~シ、取り返すよ~!」
午前10時15分から開始された試合、
桃李中学高等学校対東星高校。
「なんで、一回戦からシードと当たんのよ。しかも向こうさん、都内でも強豪だよ。…ったく~!」
朱実がぶつぶつと呟きながら、
「ハイ、楓!!!」
朱実からのパスを受け取り、小刻みのドリブルとフェイクでゴール下からシュート…、
と見せかけてノーガードの悠紀子にパス。
そのまま悠紀子がシュート…が、
「あ~ぁ。」
その瞬間、
「リバウンド――――ッ!」
と、大きな声。
ゴールリンクを回りながら外に零れたボールをガッチリと掴んで、そのままシュート。
「楓―――ッ、ナイス!!!」




