私、橘楓。 vol.062. 「いつって…。」
夏休みの部活の学校の帰り道、
ケーキを食べに行く約束をしていた陽子とも合流。
と、楓のスマホにメール。
「えっえっ???誰よ、私たち以外からのメールって…???」
と、朱実。
そして楓のスマホを覗き込む陽子。
「か~~!もう…ここまでやっちゃったか楓~!ほっほっほ~!」
「な…なによ…、だって…、仕方ないじゃん。」
と、ぶすっとしながらも笑顔を隠せない楓…。
「かかか、旦那からだ。」
と、ニコニコしながら朱実。
メールの送信者の名前がすっかり「大輔」と…、既に登録されてある。
「練習、頑張れよ、楓。」
と…。
「あんたたち、楓…、いつアドレス…交換しちゃったわけ~!ヒュ~~!」
と、陽子。
「いつって…、東京着いて、バスから降りて…、歩きながら…大の手にメモ…握らせた。」
「え―――――っ!!!うっそ…。大…胆。」
と、朱実と陽子、お互いに目を合わせながら…パチクリ。
「だって、もう…仕方ないでしょ。みんなにバレバレなんだもん。」
「まぁ…そりゃ、そう…だけどさ…。いやはや…、は~っや。」
と、陽子。
「ねね…、じゃ、それから結構やりとり…してんの…???」
と、朱実。
「ん…???まぁ…、こら、朱…!!!」
「はいはいはいはい。」
そう言いながら、濡れた両手をエプロンで拭って、受話器を持つ美智子。
「はい、山下でございます。……あら、楓ちゃんのお母さん。いつもどうも、陽子がお世話になって~。」
「いえいえ、とんでもない、こちらこそ…。今回は大変お世話になって~…。お礼も申し上げないで…、遅くなって申し訳ございません~。」
「いいんですよ~そんな~。こっちこそ、ありがとうございました~!お陰様で、大助かりだって、群馬の姉から…。」
「そうですか~、ご迷惑だったんじゃないかと…。」




