私、橘楓。 vol.061. 「ふんふんふ~ん。」
「んもう…。」
と、楓。
「…で、だれよ、相手は…???」
と、弓枝。
「あ~の~ね~!」
「親は、子供の好きな相手の名前を知る権利がある。」
「って…それ…って、映画とドラマの見過ぎ…。」
そのまま流し目をする弓枝。
「わ~かった、わ~かった…。んもう…。」
「で…、で、で…???」
「ったく~!…転校生の…大輔…くん…。」
と、ぶすっと楓。
その楓の言葉を聞いた途端に椅子から離れて、台所に向かう弓枝。
「ふんふんふ~ん。」
と、鼻歌交じりに…。
「何なのよ、それって~???」
「え―――っ、マジで…、お母さんに…???」
と、朱実。
「うん…。やられた。」
と、楓。
「こりゃこりゃ…もはや…完璧。奥様~!」
「おい!!!」
「かかかか。」
「って~~。まだ…大の事、私…良く知らないのに…。何で…こうなっちゃったの…???朱実~???」
「でも、好きなんでしょ、大ちゃんの事…???」
もはや楓も、変顔して…、
「うん。」
「んじゃ…しゃ~ないじゃん。」
「とほほほほ…。」
「あれだけ、衝撃的な出会い…しちゃったんだもんね~!」
「んもう~ったく~!」
「亜紀さん、さまさまだね。こりゃ…。…あっ、大ちゃん、こっち見てる!!!」
「えっ!!!どこどこどこ…???」
「かかかか。引っ掛かった、引っ掛かった~!はははは。」
「あ――け――み――っ!!!」
と、バスケットボールを朱実の頭に上にぶつける様な恰好で…。
「はい、試合まで日にち、ないよ―――ッ!」
と、女子バスケ主将、悠紀子の大きな声。
「よし、やろやろ。あっ、そうだ、結婚式、私出れるって。」
「へぇ~~良かったじゃん、楓。なんだか、良い事尽くめじゃん。」
外のランニングから戻ってきた男子バスケ部。
「おっ、やってるな楓。」
と、大輔。




