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私、橘楓。  作者: THMISmama
57/208

私、橘楓。  vol.056.  祝儀袋と名刺。

「そうか~お手伝いか…。」

と、三浦。


「はぃ~良い子たちばかりで…、本当に助かってます。実は、私の妹の子のお友達なんです。」

「そう…だったか~!いや…、珍しく元気で活発な若者を見た。…それでなんだが…、なぁ…女将…。」


そう言いながら自分の懐から…、

「女将には申し訳ないが…、あの若者たちに、これを…渡してくれないか。…私からの少しばかりの…良いものを見させてもらったお礼だ。」

と、祝儀袋を朋江の前に。


「えっ…、そんな…先生…、これは…戴けません。困ります。」

「じゃ、女将…頼んだよ。」


そう言って、その場を立ち、廊下に向かう三浦。

その後、朋江が三浦の部屋を訪ねて、祝儀袋を返すと言う行動を取ったのだが、

三浦はその朋江に快く、

「お願いしましたよ。」

の一点張り。


顧客の好意を断る事も出来ずに、仕方なく、預かっていたのであった。




「本来であれば戴く訳にはいかないものなんだけど…。どうしたって、引っ込めてくれるようでもないし…。ありがたく戴いたって事なのよ。」




「うそ…、そう言う事ってあるの…???」

と、陽子。


「旅館、始まって以来、初めてよ、こういうケースは。」

「うわっ!!!」

と、朱実。



祝儀袋と名刺を見て陽子と楓、

「ほんとだ、拓植大学教授、三浦彰人…だって。」


「拓…植…、えっ…バスケットの名門大学じゃん、そこって…。」

と、大輔。


…と、その大輔の話を聞いた途端に今度は楓が、

「あ―――――ッ!!!」


いきなり身体をビクッとする面々。

「びっくりした~~何よ楓~~!!!」

と、隣の陽子。


変顔して楓…、

「私のお兄ちゃん…。」





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