私、橘楓。 vol.055. 花火大会の夕方…。
「ご祝儀よ。」
と、朋江。
「あっ、いやいやおばちゃん、これ…、だめだめ、私たち…これ…もらえない。」
と、陽子。
「そうそう、最初っから…招待って、言われてたから…。」
楓。
「うんうん。」
朱実も…。
「それに、あんなにすんげぇ料理、しかも、気持ちの良い露天風呂にまで入らせてくれて…。」
と、慎二。
「…そう…なんだ…けど…さ。」
と、朋江。
「えっ???」
と、面々。
「…実は、この…ご祝儀、旅館からじゃ…、ないのよ。」
「はい…???」
またまた面々。
そして…、朋江があるエピソードを6人に説明する。
前日の花火大会の夕方…、旅館のロビーにて…。
「お待たせしました、女将の児玉と申します。」
「あっ、いやいや、女将、忙しいところ、呼び出して申し訳なかった。実は…。」
「はい。」
ソファーに座って新聞を読んでいた初老の男性。
新聞を傍らに、朋江の前に名刺を差し出し、朋江がそれを見る…。
「拓植大学…教授…、三浦…彰人…様。」
「いや…はは。そこで…今、バスケットの…顧問をしているものです。」
「はぁ…。その…大学の先生様が…???いや…。申し訳…ございません。」
と、朋江。
「いやね…女将。いや…実に活発で楽しい姿…見させてもらった。彼ら…。」
「はっ…???」
「あの…若い学生だよ。まだ…高校生じゃないかね、元気でいいねぇ。」
「あぁ~あの子たち。え~え~良く頑張ってくれてます。大助かりですよぉ。」
「アルバイトで雇ったのかな…???」
「いいえ~お手伝いですよ。」
「お手伝い…???」
「はい。お手伝いで、快く、引き受けてくれた子たちです。」
「いやいや…それにしても、出来てる。」




