私、橘楓。 vol.049. 「あと…2年…。」
「あっ、こっち見て、手~振ってくれてる。」
と、楓と陽子。
「うん。どうやら俺たちの事、分かったみたいだ。」
大輔。
「可愛いだろ、彼女。」
「…って~おい、大!!!」
と、慎二。
「あっ、はは、ごめん、ごめん。…実は…彼女…、あと…2年…生きられるかどうか…。」
その大輔の言葉を聞いた瞬間、5人揃って…、
「えっ…!!!」
「心臓…悪いんだ。」
「心…臓…。」
と、小さな声で楓。
「ほら…、良く見ると彼女、右手で…杖…。」
「あっ…、ほんとだ…。」
右手で杖、そしてその隣に男性。
「隣にいるのが彼女の兄さんだ。俺と同い年。生きている内に、自然に囲まれた、そして綺麗な花火見せたくって、ここに来たんだって。」
「そう…だったんだ。」
と、陽子。
「彼女、本当は来年、高校生になるんだ。」
「本当は…って…???」
「彼女、頭…良いんだけど…、でも…身体…無理…だって…。」
思い出したのか、今度は、大輔の声が…。
「大…。」
「だ…い…ちゃん…。」
と、慎二と陽子。
その時、いきなりその場を立ち上がる楓。
花火大会は終盤に差し掛かっていた。
「えっ???」
「はっ…???」
「何…???」
「どしたの…かえ…???」
その場を立ち上がり、後ろを振り向いて、目を赤くしながら楓。
大輔の顔を見て赤い目のままニッコリと笑って、今度は大輔の右手を握り、
「大、いらっしゃい。」
「えっ…???」
と、大輔。
「えっ…???大ちゃんから…今度は大…かよ。」
と、慎二。
「そっか、ふふ…。」
朱実と陽子。
「んじゃ、私たちも…、付き合いましょか。」
「えっ…???おいおい、どこ行くんだよぉ???」
と、慎二、智志を見ながら…。智志も…、
「さぁ…???」
朱実と陽子、
「この鈍感。」




