私、橘楓。 vol.048. 少しの間、声の出ない5人。
「ん…???なんだあれ…???おい、智志あれ!!!」
と、5人から右の方角に指だけ向ける慎二。
「えっ…???あっ、あれ…大…か…???しかも…隣に女性…???だれ…???」
5人の目がその姿に集中している内に楓だけが顔を前に戻して…、
「はぁ~綺麗~!…んん…。」
と、少し、口のものを飲み込んだ感じで…。
隣の陽子が…、
「楓…。」
「はは…綺麗、綺麗。」
朱実も…、
「か…えで…。」
「おい…智志~。」
と、慎二。
「ん…ん~!」
陽子、
「大ちゃんには…この事、内緒よ。」
「あ…、あぁ…。」
と、智志と慎二。
そして、静かに…、少しだけ鼻水を啜る楓。
「はは…良いねぇ~やっぱり花火…。」
少しの間、声の出ない5人、頭の上の花火を観ながら…。
さりげなく自分の鼻の下を右手で拭い、そして左手で両目の下を拭う楓。
「楓…。」
と、言いながら、自分の右手を楓の左手の上に、
そして右肩を楓の左肩に寄せる陽子。
「…ん…???ははは…。」
と、楓。
「ふ~~悪い、悪い、遅くなっちゃって…ごめんね。」
と、5人の中に入ってくる大輔。
「だ…大…、おま…。」
慎二。
「お…おぅ…、遅かったな…。」
と、智志。
「ごめん、ごめん、余りに偶然に、知り合い、見掛けちゃったもんだからさ。」
と、大輔…。
「知り合い…???」
智志。
「うん。いわゆる、俺の…幼馴染だ。ちっちゃいときから一緒の…。」
その大輔の言葉を聞いた瞬間に…、
「えっ…???」
と、楓と陽子…。
「お…さ…な…なじみ…???」
と、智志。
「ん~そう…。ほら…あそこ。」
そうやって大輔が指を差す方向、
5人が5人共さっき見た女の子が自分たちを見て小さく手を振っている。
そしてお辞儀をしている。
「あの子が…。」
と、楓。




