私、橘楓。 vol.036. 「着いた――ッ!」
別の窓からバレー部のコートを見てみると、
「えっ!!!何今の…!!!すげぇ――ッ!」
と、いきなり朱実。
「智志って、あんなスパイク…打てたんだ。うっそ~!」
「やるもんだ…ねぇ…智志も…。」
と、楓。
そんな朱実と楓の言葉より小さな声で、陽子…、
「あっ、すご~すご~すご~!」
「ん…???陽子…???」
と、楓。
そんな楓の声も聞こえず、両手を合わせている陽子…。
そんな陽子を見て、
「ふっ…、陽子…あんた…。」
と、目でものを言う楓。
そして8月2日午後2時前。
「着いた―――――ッ!」
と、楓。
「いや~来たね~うん。」
陽子。
「はっは~!さっすが~自然~!」
朱実。
「うん…いいね~群馬~!」
と、大輔。
「ははは…いいじゃん、いいじゃん。なぁ~智志~!」
と、慎二。
「うん。空気…うめぇなぁ~やっぱ。」
6人が到着したその場所は、群馬県利根郡みながみ町。上尾高原と言う駅である。
そこから西に車で凡そ15分程度の場所に猿ケ谷と言う温泉地がある。
その温泉地の中に位置する仙田屋旅館が、
これから6人が訪れる旅館である。
「えっと~、迎え…来ているはず…っと…。あ~あったあった、車~!うん、仙田屋旅館ってね~!」
と、陽子。
「あは、西谷さ~ん。」
「お久し振りです、陽子ちゃ~ん。みなさんも…ようこそ、東京から…。」
陽子、
「旅館の番頭さん、西谷さんよ。」
一同、
「お世話になりま~す。」
「見えてきた、見えてきた赤ヶ谷湖。うんうん。」
と、陽子、楓、そして朱実。
「ここで花火大会と盆踊りもあるんだよね。」
と、朱実。
「今年は何やら…盛大との事ですよ。」
にこにこ顔の西谷。
「女将さん、朝からニコニコで…。」




