私、橘楓。 vol.023. 「やられちまったよ。」
「ははは…、やられちまったよ。俺、中井悟。」
「ポイントガードの辻正道だ。」
「久保田~っす。」
「三上明生。パワーフォワードやってます。よろしく。凄いね、さすがは陵北だ。」
「ありがとうございます。すいません。なんか…俺…。」
と、照れながらの大輔…。
「中々良い身体…してるし…。」
と、沖田。
レギュラー―面から歓迎されながらも、
反対コートでボールを抱えながら自分を見ているだろう女子バスケ部の面々、
その中に楓と朱実の顔。
「あっ…。」
と、少し笑顔で、その顔に向けて、沖田たちの顔を見る大輔。
「あっ…楓、橘樹君、今、こっち見た。」
と、朱実。
「…ん…、うん。」
「しっかし…ここまでとは…。はは…やられちゃったね~ん~楓~!!!」
「ん~~、うん。」
「ん…、どしたの楓…???はは…、凄過ぎて、声…出ないってか。」
その時…何故か、自分でも考えられないくらい、目頭が熱くなった楓だった。
「えっ…うそ…、私…???」
その瞬間、ツーッと右目から一滴。
「ごめん朱…、私、トイレ。」
「はっ…???はぁ~???どしたの…???」
トイレに入って楓…、
「何なの私…、これ…。なんで…涙…。うそ…。」
大輔のプレーを見て、楓の胸は…高鳴っていた。
「まだ…胸…。」
「ごめんごめん朱…。」
駆け足でコートに戻ってきた楓。
「どしたの…、楓、今…あれ…???」
「はぁ~~???」
「中々やるじゃない、凄いね、2年生であれだけ出来るって…。」
1人壁に凭れて一休みしていた大輔にマネージャーの真唯子。
「あっ…。どうも…僕…。」
「橘樹大輔君。私…絢埼真唯子、マネージャーよ。」




