私、橘楓。 vol.014. 笑顔で…。照れながら…。
「このクラスにもバスケ部は…、あっ、ほら、君の斜め後ろに…。」
と、机に付いていた右手を放し、楓の方を指差して、
「彼女も君と同じバスケ部よ。ねぇ~楓~!しかも苗字も君と同じ呼び方の…た・ち・ば・な。」
そう言われて自分の左斜め後ろの楓の方に顔を向ける大輔。
いきなり自分に顔を向けられ、思わず笑顔でペコリとお辞儀をする楓。
そして、そのお辞儀に、素直にお辞儀で返す大輔。
「そして~!ちなみに私…、このクラスの学級委員長してるから…、クラスや学校の事で分からない事があったらいつでも聞いて。じゃ。」
そう言って、大輔の机から離れて廊下に向かう萌美。
「あ、ありがとう、わざわざ。」
と、大輔。
教室の生徒はもう既に、思い思いの昼休みを楽しんで、
残っている生徒は、6人。
そしてようやく、楓が腰を浮かし、立ち上がろうとしたのと同じタイミングで、
後ろを振り向きながらその場に立った大輔。
「君たち…昨日の…。学校…ここだったんだ!すげ~偶然。俺…。」
そう言った大輔の声に続いて、
「たちばな…だいすけ…君…、でしょう。」
と、立ったまま、机の上に両手の両指を付きながら…、笑顔で…。
「そう言う君が…たちばな…かえで…さん。苗字、同じ…けど…漢字、一字違い。」
と…、少しうつむき加減で、楓を見ながらの大輔。
机に立てていた両手指を今度は背中に手を回し両手を組んで…。
「そっ、私…たちばな…かえで…。」
と、ちょっと、照れながら…。
「昨日は…ごめんなさい。」
と、そのままの姿勢で頭を下げて。




