私、橘楓。 vol.013. 「凄いね、みんなの歓迎ぶり…。」
「えっ…うそ…バスケ…???」
と、またまた驚く楓…。
隣の朱実と顔を見合わせながら…目をパチクリ。
「まぁ…、うちのクラスにも、何人か…バスケ部は…いるが…。なぁ~橘~!仲良くしてくれ~!」
「…って、陣内、私は女!!!こっちは男!!!」
小さな声で楓。
その小さな楓の声が聞こえたらしい大輔。両肩を上下に動かし、「クスクス」と…。
「じゃあ~授業に入る~!」
と、一時限目の担任の世界史の授業が始まる。
一時限目の授業が終わった瞬間、
周りの生徒が大輔の席に集まってくる。
そしてそれぞれが自分の名前を名乗り自己紹介。
「早っ!!!」
周りの生徒の早さに呆気に取られ、
昨夜の出来事の詫びとお礼を言いそびれた楓。
隣で、他の生徒の行動を見ていた朱実も…、
思わず楓に顔を向けて変顔…。
「だめだねこりゃ。」
そんなシーンがお昼休みまで続くのだった。
「やれやれ…凄いね、みんなの歓迎ぶり…。次から次へと…。」
そして、ようやく周りの生徒の自己紹介も終わったかと思い、
窓際に寄りかかっていた陽子が楓に、
「楓…???」
「ん…、うん。」
と、椅子から立ち上がろうとした瞬間、
「たちばな…だいすけ…くん…って言ったかしら???」
と、大輔の机の端に右手を付く女子生徒。
その女子生徒を見た途端一旦は椅子から浮かし掛けた腰を落として、
左肘を机に付けて、
「さ、さ…五月野…???」
と、楓。
「あっ、はい。橘樹大輔です。よろしく。君は…???」
「私…???私は、五月野萌美。吹奏楽部よ、バイオリン弾いてるの。あなたは…バスケだったかしら???」
「おやおや…、今度は委員長殿…。」
と、朱実。




