私、橘楓。 vol.011. 周囲がザワザワ。
「あ~知ってる知ってる。…確か…美希さん…って…言ったっけ…。」
と、両手を上下に振りながら言う陽子。
「そう…なんだ…けど…。はぁ…ガックリだよ…。」
暗い表情の楓。
「なんでなんで…???」
「朱実~高体連の夏季大会…うちらって…いつだっけ???」
「ふ~ん、8月の第3日曜日17日よ。」
「…なんだよね~はぁ…。」
「なんだよね~はぁ…って…???どういう事よ???」
と、腑に落ちないような陽子。
「うん…???つまりは…その結婚式と夏季大会の日程…、何の因果か…知らないけど…、お・な・じ…日!」
「ありゃ…。じゃ…、結婚式…。」
「そう…出れないの!私だけ!」
と、机の上に置いた鞄に両手でバン。
「あっちゃ~~!」
と、陽子。
「そういう…こと…か。」
「んもう~!」
その時、
「起立~っ!」
「あっ、先生来た。」
「礼、着席~!」
そうして生徒が一旦席に着いた途端、周囲がザワザワ
「えっ、おい、誰だよあいつ。」
「誰…、あの人…???」
「あれ…転校生…???」
「何…だれあの人…???」
周囲の生徒がざわつく中…。
「みんな~おはよう~!早速だけど、紹介しとく。」
と、担任教師の陣内。
その時、
「うっそ!!!」
「えっ…!!!あっ!!!」
と、教師の隣にいる生徒を見て朱実と陽子。それと同様に、前の席にいる慎二、
そして廊下側にいる智志がそれぞれ後ろの席にいる楓の方に振り向いた。
まだ浮かない表情をして外を見ている楓に、
隣の席の朱実が、楓の右肩を小突いて、
「楓、楓。」
と、小さな声で。
「ん~???」
と、楓。
朱実が…、
「前々…あれ!!!」




