私、橘楓。 vol.012. 「新しい仲間だ。」
朱実の指差した教室の前の、
先生の隣にいる生徒を見て楓、その瞬間、
「へっ!!!わっ!!!うそ―――ッ!!!!」
そう言って、思わず両手で口を塞いだ。
「…ん…???なんだ今の…誰だ…???静かにな。」
と、担当教師の陣内洋祐。
両手で口を塞いでた楓…、その手を放して…。
「うそ、うそうそうそうそ…、なんであの人がこ、ここ…???」
と、隣の朱実の左腕を小突きながら…。
「いや…私だって分かんないよ。」
と、朱実。
この時点で、かなりの胸の鼓動を感じる楓。
そして…とにかくキョト~ンとしているだけの…陽子。
「あ…、あ…。もう…会えてる。うわっ。」
「今日から、みんなの仲間になってもらう…。…って、言ったら…少しは…大袈裟か…、はは。みんなと一緒に勉強してもらう、まぁ…新しい仲間だ。」
と、陣内。
「何言ってる、陣内…???」
と、下から目線の机の上で、匍匐前進体勢の楓…。
そして陣内、隣の生徒の肩を叩いて、
「じゃ…自己紹介…お願い。」
「あ…あ…、ハイ。」
と、その生徒。
今まで、少し下向きにしていた目をしっかりと前を向いて一言、
「橘樹大輔です。よろしくお願いします。」
と、大きな声で…。その声を聞いた途端…、周囲がまた…。
「た…、たちばな…。え~~~!!!」
と、ざわつく。
「えっ…。」
「えっ!!!!」
「うそ…???」
「はぁ~???」
「…んな…事って…???」
楓の周辺で起きるどよめき…。
「た…ち…ぱ…な…。うそ―――ッ!!!!」
と、楓。
今度はしっかりと陣内まで届く声が…。
「ん…???橘か、今の声は…???」
と、陣内。
「うわっ、ヤバッ!」




