ラーノットの気持ち
「星を動かす魔術を唱えてほしい、二人でだ」
神様の声が光中、響く。
呪文は、数時間にも及んだ。
「もういいだろう。寝るがいい。続きは、明日だ」
神様は、姿がないままだ。
ラーノットとアルヴァが脱力して、座り込んだ。
「よし、これで、今日の仕事終わり」
Cafe LuCkyに眠りに行こうとするアルヴァ。
「ねえ、アルヴァ。聞いて欲しい事があるんだけど」
ラーノットは、横を見ながら、アルヴァに話しかけた。
「何?」
振り返るアルヴァ。
ラーノットは、ルミナリーに言われた事を思い出していた。
「ずっと前から、言ってみたい事があったんだけど」
魔獣に人質にとられそうになった時。大波に飲まれそうになった時。霧の中。全部助けてくれた。
「貴方って素敵ね」
「うん。ありがとう」アルヴァは、にっこり笑って流す。
「そうじゃなくて」とラーノットは、帰ろうとするアルヴァを止めた。
「どうしたの?」
アルヴァは、不思議そうにラーノットを見つめる。
ラーノットは、大きく息を吸った。
アルヴァの淡褐色の目をじっと見て、言った。
「貴方の事が好きなの、悪い?」
目を放し、返事を待つラーノット。
アルヴァは、ラーノットの近くまで戻って来た。
「いいけど」とアルヴァが手を差し出した。「これからもよろしくお願いします」それから、丁寧に礼をする。
「そこは、キスでしょう」
いつの間にか起きたらしいマグスが怒鳴る声が後ろから聞こえた。
「うるさい、外野」とマグスに返すアルヴァ。「僕でよければ、喜んで」そう言って、手をとって、ラーノットの右手にキスをした。
「じゃあ、私と付き合ってくれるのね」
ラーノットの声が弾んだ。
「付き合いましょう、永遠に」
アルヴァがラーノットの両手を握った。
「皆に報告しなくちゃ」
マグスの喜ぶ声が遠ざかる。
「ちょっと待て、マグス。秘密にしようとかないのか」
ラーノットの手を放し、マグスを追いかけるアルヴァ。
クスクス笑うラーノット。
「お前に最高の幸福をやろう」
地からまた女の神様の声がした。
「必ずや、願いが叶うだろう」
「はい。ブラックホールを動かしたいでしょ、3人の子供が欲しいでしょ、あと、星征服したいでしょ、あとそれから…」
姿は見えないが、神様が苦笑したのが分かった。
「一つにしなさい」
「皆が安全で、幸せになりますように」
ラーノットは、考え考え、願い事を言った。
「分かった。その願い叶えよう」
声が消えた。どうやら、神様が帰ったようだ。
ラーノットは、満足して、アルヴァを追って、Cafe LuCkyへと繋がる部屋に入った。
そこには、アルヴァとアルトが待っていた。




