航海の途中
最初に辿り着いたのは、無人島だった。島を七日間、探索したが、人っ子一人いない。
火をマッチをすって、おこし、魚を釣って焼いて食べた。火は、魔獣避けにもなる。食べながら、ラーノットは、先の事を考えた。荷台には、大量のパン、オレンジと水、チョコレートとキャベツの酢漬けがあったが、数年も持つ物ではない。
ラーノットは、作戦会議をする事にした。
「これから、長い旅になる。食料と水が足りない。どうすればいいと思う、皆」
ぐるりと皆を見るラーノット。
「海の水を真水に変える魔法をかければいいと思います」とマグス。「実家が漁師で、よく親父とやっていました」
「それはいい」とアルヴァ。「君がその呪文をかけてくれ」
「了解しました」敬礼するマグス。
「食料は、刺し身にすればいいでしょう」とアルクス。「しかし、オレンジとキャベツが足りない」
「そうね」とラーノットが腕組みする。
「もしかしたら、この無人島にオレンジに似た食料があるかもしれないです」とフォルトナが立ち上がる。「私は、食料には、詳しいので」
「毒があるかもしれませんよ」とマギーアが忠告する。
「確か、大きな鏡をキルティが入れてくれてたな」とアルヴァがおもむろに言葉を発した。「地球という星から、調達すればいいんじゃないか」
「いいアイデアね」ラーノットは手を叩いて賛成する。「食べに行けばいいわ」
アルヴァは、頷いたが、不思議な顔をする他の面々。
火を消して、ラーノットを先頭に船に戻る。食べ物が入った部屋には、厳重に鍵をかけ、大きな鏡の前に皆が集まった時に、アルヴァが呪文を唱え、「ミリーの家へ」と言った。
光が溢れ出し、目が眩み、気がついた時には、違う部屋の鏡の前に立っていた。
「ミリー」ラーノットが叫ぶ。
鍵が開く音がして、緑の目、銀髪の美人、ミリーが現れた。
「お久しぶりです。夕飯食べて行きますか?」
「お久しぶり。夕飯は、いいの。朝ご飯もらっていい?」
とラーノットがミリーに尋ねる。
「突然で申し訳ない」とアルヴァが謝る。
「いいえ、来客がなくて、退屈してた所でしたから」とミリー。「でも、泊まるなら、Cafe LuCkyの方がいいですよ。ルベルの家の方が広いですから」
「ありがとう、ミリー」
ラーノットは、お礼を言った。
ミリーの家を出て、人参畑に出る。
「皆目を閉じて」
アルヴァが呪文を唱える間、目を閉じるラーノット達。
「Cafe LuCkyへ」
アルヴァが言う。
「目を開けて大丈夫だよ」
アルヴァの言葉におそるおそる目を開けるマギーア達。
ラーノットは、扉を叩く。
「ルベル、まだ起きてる?」
扉の外から音がして、唐突に扉が開く。
現れたのは、金髪を一つに結った青い目の美人。これが、ルベルである。
「いらっしゃいませ」
とルベル。
「今日、泊まりたいんだけど、部屋空いてる?」
とラーノットが尋ねる。
「はい、今日はお客様が来てませんから」
ルベルがにっこり微笑む。
「部屋に案内します」
ルベルに連れられて、部屋を一人ずつもらうラーノット達。
「これが鍵です。あちらにトイレがあります」
そう言って、ラーノット達に鍵を渡して、トイレを指差すルベル。
「なにもかもすみません」
とマグスが頭を下げる。
「いえいえ、ごゆっくり」
礼をして、ルベルが一番左の部屋に入った。
ラーノットは、自分の部屋に入ると、これからの事を考えながら、眠りについた。




