平和条約
ラーノット達は、水晶を見ながら、悪魔の王の住む岩に辿り着いた。
「悪魔の王に会いたい」
ラーノットが声をはりあげた。
すると、数人の悪魔の集団が来た。
「ゴブ様でございますね」
その内の一人が言った。
どうやら、話が通っているらしい。
「少々お待ちください」
悪魔達が入口に入って行った。
ラーノットとアルヴァが待っていると、雨がポツリポツリ降ってきた。
「やだ、雨?」
「中に入ろう」
ラーノットとアルヴァは、入口に立った。
その時に、ゴブが現れた。
「すみません、遅くなって。雨ですね」
ゴブが二人を見る。
「それで、答えは?」
「女王キルティも賛成です。しかし、側近が来るのは、一ヶ月後にして欲しいのですが」
ラーノットは、決然と言った。
「いいですよ。では、奥で平和条約を結びましょう。さ、中へ」
ゴブが手を指し伸ばした。
罠が、あるかもしれない、とラーノットは、一瞬躊躇った。ゴブ達も、ブラックホールを動かすのに、魔法を使っているとはいえ、此方も魔力がない状態で、剣だけの丸越しだ。
「宝石を持っているから、行こう」
躊躇うラーノットに、アルヴァが言った。
「何で宝石持っているのよ」
と驚くラーノット。
「イリスから、もらった。ウィルディスの海戦を勝利に導いたんだ、安全だろう」
「そうね」
ラーノットが頷いた。
ゴブに連れられて、奥へと進むラーノットとアルヴァ。
石段は、下へ上へあり、ゴブがいなければ、迷子になりそうだ。
「侵入者避けでね」ゴブは、ラーノットを見透かしたように言った。「この先に、宮殿があります」
さらに進むと、開けた所に出た。
「うわぁ」
ラーノットが言葉を漏らす。
そこは、黄金の宮殿だった。岩にびっちり黄金が張り付いている。
「では、平和条約を結びましょう」
ゴブは、先にある、机と椅子を指し示した。
そこには、二人の悪魔が立っていた。
「セシとシオです。さ、挨拶を」
「私達が、魔術師の王宮に行く者です」
とソシが言った。
「王宮では、しっかりお手伝いします」
とシオが言った。
「これが、平和条約です」
ゴブがポケットからクルクル巻かれた一枚の紙をラーノットに手渡す。
ラーノットは、ざっと紙に書かれた内容を見る。こちらに不利な条件がないのを見、ゴブを見る。
「此方にサインすれば、いいのですか?」
下の方に一本線が引いてある。
「はい。こちらのテーブルへどうぞ」
ラーノットは、テーブルまでついて行き、紙にサインをした。
「もう一枚あります。貴方の控えです」
とゴブがまた紙をポケットから取り出す。
ラーノットは、それも見て、サインをする。
「これで、条約締結ですね」ゴブは、嬉しそうに言った。「実は、ブラックホールがまだ近い位置にあるので、もう一度動かさないといけないかもしれないのです」
「そうなんですか」
ラーノットがアルヴァを振り返る。
アルヴァが手でOKマークを作り、私に見せる。
「では、玄関までお送りします」
ゴブは、側近を携えて言った。
迷路のような石段を進み、玄関へと辿り着いた。
「では、頼みましたよ」
ゴブは、そう言って、中へ入って行った。
「では、行きましょう」
ラーノットは、アルヴァは、魔術の街へと向かった。




