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或る騎士の物語  作者: アリス
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星を動かして

イリスの持つ宝石から光が溢れ出した。

「星よ、大きく動け」

イリスが叫んだ。

途端、ぐらりと揺れてラーノット達は、倒れた。

それでも呪文を止めない。

皆で、呪文を続ける。

地面は揺れ続ける。

よろけながら、懸命に呪文を唱える。

拾時間程、祈っただろうか。

「ブラックホールが見えなくなりました」

汗を拭ってアステールが言った。

歓声を挙げる王宮の魔術師。

「アルトに連絡しに行くよ」

とアルヴァが言った。

「じゃあ、私も行くわ」

とラーノットが言って、アルヴァの後についていった。

時空列車に乗り込むと、釦を押すラーノット。

眠気が襲いながら、景色を眺める。

窓を見ると、自分の顔が写っていて、自分が夢を見ている事に気がついた。

目を開けると、魔術師の街に着いていた。

家から出ると、リースとアルトの元に向かう。

本屋には、人だかりが出来ていて、村人達がまだ呪文を唱えていた。

「もう大丈夫よ、ブラックホールは去ったわ」

とラーノットが叫んだ。皆、呪文を止める。

「やったぁ」

アルトが言って倒れこんだ。

「やりましたね。大丈夫ですか?」

手を差し伸べるリース。

「大丈夫」とアルトが言って立ち上がった。「でも、暫くは魔術は使えないな」

「お前のお陰だよ」

とお礼を言うアルヴァ。

「そんな事ないですよ。皆のお陰です」

そう言うアルトは、汗まみれだ。

「疲れたでしょうから、晩ごはんにしましょう」

とリースは本屋の奥に引っ込んだ。

「僕は見張り台に行ってくる。君は、晩ごはんを食べててくれ」とアルヴァは、ラーノットに言った。

「そんなにやわじゃないわ。私も見張り台に行くわ」

「そうか。じゃあ、急ごうか」

アルヴァが出掛けようとした時、兎が現れた。

少年の姿になる兎。

「アステールさまから、連絡を頂きました。見張り台はもう呪文を終えて夜食中です」

「君も夕飯を食べてくれ」

とアルヴァが兎に言った。

「はい。お腹ペコペコです」

その言葉に笑い出す一同。

こうして、魔術師達は、すぐにめいめい料理を作って、テーブルを出すとたくさんの料理を乗っけて、食べ始めた。

「今日は、ブッフェね」

とラーノット。

「そうだな」

笑って食べるアルヴァ。

ひとしきり食べると、もう一匹兎がやってきた。

青年の姿になる兎。

「アルヴァさん、見張り台に魔獣の王が来ています。ラーノットさんに会いたいと」

顔を見合わせるアルヴァとラーノット。

「すぐに行く」

とアルヴァ。

「僕も行きます」

とアルトが言った。

「いや、お前は、街に居てくれ。食べていていいから」

とアルヴァが止めた。

「分かりました。お腹いっぱいだからもう食べないですけど。気をつけてくださいね」

アルトに見送られて、兎の後を追うアルヴァとラーノット。

門番のアウルム、ウィルデに城門を開けてもらい、見張り台へと船を進める。

舵をとるラーノット。

陸に着いて、見張り台へともう少し。

歩いて、歩いて、見張り台に着くと、魔獣の王と側近が待っていた。

「ラーノット殿、この度は、ありがとうございました」とゴブが頭を下げた。「もう一つお願いがあるのですが」

「何ですか?」

ラーノットは身構えた。

「平和条約を結びたい」とゴブ。「このような事があった時にすぐに対応出来るように側近二人を王宮に置いて欲しいのですが」

「それは、ちょっと」とラーノットは困った。「どうする、アルヴァ?」

「一応、ルミナリーに相談した方がいいと思う」とアルヴァ。「彼女、君のブレーンだし」

「もう少し返事を待って頂けませんか?」とラーノットがゴブに尋ねる。

「いいですとも。また来ます」

そう言って消える悪魔の王と側近。

「ルミナリーに来てもらえるように伝令をお願いしてもいい?」とラーノットが兎に頼む。

「はい、私は魔術に参加してないので」

王宮へと消える兎。

ラーノットとアルヴァは、見張り台の戸を叩いた。

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