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言霊怪奇譚  作者: Mr.M
一章 明日は明日の風が吹く

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第9話 砧明日美②

高校でも、

明日美はひと際目立つ存在だった。

入学式の翌日。

明日美は早くも2人の男子生徒から

告白されていた。

その日帰宅すると、

「結局。

 見た目だけで

 私を選んだってことでしょ?」

と明日美はベランダ越しに

僕に不満をこぼした。

しかし。

そんな彼女の不満をよそに、

1週間もすると、

他のクラスや学年から、

明日美を一目見ようとする男子生徒で、

教室の前の廊下が

埋め尽くされることになった。


この表現が

適切かどうかはわからないが、

明日美は転んでもただでは起きない、

したたかさを持っていた。

彼女は

自分が注目されていることを利用して、

5月にある生徒会長選挙に立候補したのだ。

明日美の対抗馬は去年も生徒会長を

務めていて、

2期連続当選を目指す

松平丈という3年生の男子生徒だった。

父親は真人市の元市長で、

数年前に首を刎ねられて殺されていた。

その犯人は

今もまだ捕まっていないらしい。

所謂

『ギロチン処刑殺人事件』

とマスコミが呼んでいる

未解決事件だった。

松平の父親以外にも被害者は

十数名に及んでいるというのが、

何よりも恐ろしかった。

兎に角。

松平は父親の無念を晴らすべく、

自身も政治家になることを

夢見ている学生だった。

学年で一番成績が良く、

休日はボランティア活動を行うという、

画に描いたような優等生で、

穏やかな性格から

誰からも一目置かれる存在だった。

当然。

ただ美しいというだけで、

入学したばかりの明日美が

生徒会長に選ばれるほど、

世の中甘くはない。

男子生徒からの人気という点では

明日美に軍配は上がったが、

女子生徒の支持という点では

その美しすぎる容姿は

欠点でもあった。

嫉妬に狂うのは女の性なのか。

ここでも。

明日美は

女の敵は女ということを

身をもって痛感することになる

と思われた。

女子の票を

獲得することができない選挙は、

すなわち敗北を意味する。

そんな中。

事件は投票日の4日前に起きた。

明日美の入浴中の盗撮動画が

流出したのだ。


開け放たれた風呂場の窓から撮られたと

見られるその動画は、

瞬く間に学校中に拡散された。

シャワーを浴びる明日美の裸体。

ミロのヴィーナスを彷彿とさせる

柔らかくしなやかな曲線美。

洋梨のように実った2つの乳房は

明日美が体を動かす度に大きく揺れた。

そして。

白い肌とは対照的な赤く隆起した乳首。

それはまるでクコの実のようだった。

何よりも目を引いたのは、

下腹部に広がる

密林のように茂った陰毛だった。

そこだけがまだ未開の土地のようで、

完璧な姿態との妙なアンバランスが、

より一層、

彼女の裸体を官能的に見せていた。


動画のインパクトもさることながら、

これを撮った犯人は誰かということも

生徒達の間では話題になった。

すぐに犯人探しが始まり、

その犯人として疑われたのが、

僕だった。

これは当然の帰結だった。

僕はすぐに明日美に弁明をした。

明日美は

「気にしてないから・・」

と言って微笑んだ。

しかし。

その目は明らかに僕を疑っていた。


そして。

迎えた投票日。

明日美は見事生徒会長に選ばれた。

勝因は女子からの同情票が

明日美に集まったことだった。


その後すぐに例の流出動画は

フェイク動画だったことが判明した。

「これで信じてもらえただろ?」

僕は改めて明日美と話した。

「うん。

 ごめんね。

 本当は崇が撮ったのかもって

 疑ってたんだ」

「ばーか。

 お前の裸なんて興味ねーよ」

僕は恥ずかしさを誤魔化すように

不機嫌を装った。

「ふーん。

 小さい頃は

 私と一緒にお風呂に入るのが

 大好きだったくせに」

「ば、バカヤロウ!

 いつの話をしてるんだよ」

僕は慌てて反論した。

「ふふ。

 冗談よ。

 でも崇だって見たんでしょ、あの動画?

 実際はもっとすごいわよっ」

そう言って明日美は笑った。

この時。

僕ははっきりと

自分の気持ちを意識した。

僕は明日美のことが好きなのだと。

しかし。

誰もが想いを寄せる人と

結ばれる世界など存在しない。

選挙から1週間後。

明日美は上京と交際を始めた。


「結局。

 見た目だけで

 私を選んだってことでしょ?」

入学式の翌日、

明日美は僕にそう言った。

・・でも。

明日美、

お前だって上京を選んだのは・・。

僕は灯りの点いた風呂場の窓を

見下ろしながら、

そんなことを考えた。


ふいに風呂場の灯りが消えた。

僕は窓を閉めて、

カーテンを引いた。

そして。

机に座った。

パソコンの中にある

『A』というフォルダを開いて、

明日美のフェイク動画をクリックした。


一糸纏わぬ姿の明日美が、

白い泡に包まれた自身の右の乳房を

優しく撫でていた。

シャワーの水が泡を洗い流すと、

右の乳房の上に3つの小さな黒子が見えた。

僕の記憶の中にある

幼い明日美にも

全く同じ位置に同じ黒子があった。


僕は立ち上がってパンツを下した。

それから。

大きくなった欲望をそっと握りしめた。

そしてゆっくりと扱いた。

すぐに絶頂に達した。

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