表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
言霊怪奇譚  作者: Mr.M
二章 同じ穴の狢

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/53

第39話 犯人

浮橋が『Royal Hills』を出た時、

太陽はまだ西の空にその姿を留めていた。


マンションの前の歩道を

東の方から歩いてくる男の姿があった。

ダークブラウンのやや長めの髪。

無造作に流れた前髪の下には、

二重の切れ長の目があった。

鼻筋は高く通り、

やや厚い唇は口角が上がっていた。

身長が高く均整の取れた体に

派手な細身のスーツを

隙なく着こなしていた。


「甘粕ってのは兄ちゃんのことか?」

男がマンションの

エントランスに入ろうとしたその直前、

浮橋が声を掛けた。

男が足をとめて振り向いた。

「あっ?

 誰だ、おっさん?」

男は眉をひそめた。

「へへへ。

 写真で見るよりもイイ男だな」

男は訝しげな表情で浮橋のことを

頭の先からつま先までさっと眺めると、

露骨に顔をしかめた。

「そう警戒すんなって。

 ジェラのことで少しだけ

 話があるんだけどよ。

 俺もジェラとは

 少なからず関係があってな。

 イイ女を亡くしたよな」

男がハッと息を呑んだ。

それからマンションを見上げると、

男は慌てた様子で

周囲をぐるりと見回した。

「ちょ、ちょっと待て!

 こ、こっちだ」

そして男は足早に来た道を引き返した。

浮橋は首を傾げてその後を追いかけた。


男はしばらく小走りに歩き続けて、

大通りに面した

『おおとり公園』に入った。

遅れてやってきた浮橋が膝に手をついて

肩で大きく息をしていた。

「おっさん。

 さっき俺の家に居た客ってのは

 あんたか?」

「あ?

 ああ。

 ジェラのことで

 話を聞きにいってたんだよ。

 結局、

 はぐらかされちまったけどな・・」

男の表情に緊張が走った。

男は素早く周囲に目を走らせた。

公園の中には

駆け回る子供達の姿だけがあった。

男は小さく息を吸い込んでから、

ぽつりと漏らした。

「・・ジェラを殺したのは。

 ・・牡丹だ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ