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言霊怪奇譚  作者: Mr.M
一章 明日は明日の風が吹く

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第12話 梅雨の晴れ間のある日

梅雨の晴れ間のある日の放課後。


岩倉と西陣に連れられ教室を出ていく

肇の姿が見えた。

僕は意を決して立ち上がった。

その時。

教室の後ろから小さな話し声が聞こえた。

「今日は部活が休みになったから、

 家まで送っていくよ」

「うん。

 ありがとう」

「少し上がってもいいだろ?」

「えっ?」

「誰もいないんだろ、家?」

「そ、そうだけど・・」

「なら決まりだ。

 明日美だって好きだろ?」

「もう。

 やだ・・声が大きいわ」

「大丈夫、誰も聞いてないさ」

僕は体がカッと熱くなるのがわかった。

僕は鞄を手に取って、

教室を飛び出した。


校舎を出た時、

岩倉と西陣と肇の3人が

裏門の方へ歩いて行くのが見えた。

僕は頭を振って校門を出た。


家に帰るとすぐに部屋に入り、

東側の窓を開けたままカーテンを閉めた。

部屋が一気に暗くなった。

僕は窓の下に座り込んだ。

カーテン越しに、

外の騒めきが微かに聞こえてきた。


しばらくそうしていると。

キィと門扉が開く音がした。

続いて。

ガチャガチャと鍵を回す音がした。

僕は息を殺して、

カーテンの隙間からそっと

向かいの部屋の様子を窺った。


カーテンの開いたその部屋に

明日美が入ってくるのが見えた。

そのすぐ後ろから上京が入ってきた。

明日美が窓の方へ近付いてきた。

と。

上京が背後から明日美を抱きしめた。

直後。

上京の手が

明日美の制服の胸に伸びた。

そしてそのまま乱暴に鷲掴みにした。

明日美は抵抗することなく、

上京の好きにさせていた。

上京の手が制服の中へ侵入した。

次の瞬間。

明日美がカーテンを引いた。


僕は急いで机の上の

パソコンの電源を入れた。

そして『A』というフォルダを開いて、

その中の動画ファイルをクリックした。

僕は立ち上がって制服のパンツを下した。

それから。

下着から大きくなった欲望を出すと、

そっと握りしめた。

そしてゆっくりと扱いた。

暗い部屋の中、

僕は明日美の名前を頭の中で叫んだ。

すぐに絶頂に達した。

僕はしばらくの間、

放心状態だった。

パソコンのモニターでは

明日美はまだシャワーを浴びていた。


後処理をした僕は、

息を殺してふたたび窓に近付いた。

カーテンの隙間からそっと外を窺った。

明日美の部屋は

カーテンが引かれたままだった。

僕は窓の下に座り込んだ。

どのくらいそうしていただろう。

しばらくすると。

門扉が開く音がした。

僕は慌てて部屋を飛び出した。

階段を駆け下りて、

玄関の横にある洗面所のドアを開けた。

そして洗面所の隣のトイレに入って、

静かに窓を開けた。

耳を澄ませると、

微かに話し声が聞こえた。

「それよりも、大丈夫?」

「何が?」

「肇のこと・・」

「ああ。

 これから岩倉と西陣に会ってくる。

 丁度、松葉と一緒にいるらしい。

 あの2人には二度と松葉を

 イジメないように釘を刺しておくよ」

「ありがとう。

 こんなことを頼めるのって

 上京くんしかいないから」

「それにしても。

 生徒会長も大変だな」

「ううん。

 肇とは小学校からの付き合いだから」

「そう言えば。

 三宝院さんぽういん

 とも幼馴染だったっけ?

 たしか。

 隣があいつの家なんだよな?」

「そうだね」

「気を付けろよ、あいつには」

「どうして?」

「あの動画。

 フェイク動画ってことで

 落ち着いたけど、

 実際は本物だろ?

 そうじゃなきゃ。

 明日美の右胸の

 黒子の説明が付かないからな。

 俺は・・」

「誤解しないで。

 崇はそんなことはしないわ」

「随分と信用してるんだな」

「信用・・とはちょっと違うかな。

 崇は私には興味がないから。

 私のことを女として見てないの」

「思春期の男を甘く見ない方がいい。

 発情期の犬と変わらないから」

「あれ?

 それは上京くんにも当てはまるの?」

「だから。

 俺は健全なスポーツをして、

 有り余った体力を消費してるんだよ」

「サッカーは欲望を抑えるため?」

「目的の半分はそうかな」

「残りの半分は?」

「サッカー部ってモテるだろ?」

「不純な動機ね」

「ははは」

2人の笑い声が響いた。

「気を付けてね」

「ああ」

すぐに。

自転車のチェーンの音が聞こえた。

僕はトイレの窓を閉めてから、

部屋に戻った。

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