欠片91.『潜入ー7日目』
欠片91.『潜入ー7日目』です!
※本作の「」と間にあるーーーの種類について説明
[]=人物名と年齢、種族
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
【】=漫画で例えると四角い囲みのナレーション語り、用語説明
・・=強調
" "=強調、効果音など
ー1本=漫画の場面転換、幕間、過去回想など
ー2本=漫画で例えた時の流れ
【地下四層[加工場エリア] アストラサイド】
「昨日見た三層と特に変わりはないな」
(加工場も機巧技師がいるだけか)
(しかし、この溶解された破片はどこから来てるんだ?)
「フロデューテの話によると…」
「第三層は[貯槽部屋]、通称『ストレージ』と呼ばれている。溶解された破片を貯める貯水槽があると言っていたな。」
(しかし、あくまでも噂だ。)
(潜り込ませたスパイでさえ、秘密の入り口は見つけられなかったらしい。)
(そして、この溶解された破片が容器に入れられて運ばれている。)
「流れの大元を辿れば着けるのか…?」
「……考えたところで分からんな」
(第四層・・・[加工部屋]、通称『プロセス』。溶解した破片を加工して、数多くの破片ノ武器を作製している。)
辺りを見渡しながら通路を歩いていくアストラ。
その膨大な破片ノ武器の数に驚いていた。
(ここまでの破片ノ武器…)
(いったい何に使うつもりだ…?)
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【時は戻り サーチがクロードと極子水星要塞に来た時まで遡る】
「んじゃあさ、その第一層の[分離研究部屋]ってとこは」
「機屑物や在屑物の装甲を、分解して研究する部屋ってことか!」
「そうですね。略称は『セパレート』です。」
「続いて、第二層は[火葬部屋]、通称『クレマト』です。」
「ここは、装甲についた不要な肉片や装甲の溶解を行う場所になります。」
「なるほど!」
「それであんなにデッカい扉があるって、フロデューテが説明してたのか〜」
「にしても、四方444mの扉って……どんだけだよ。はは…。」
「あの扉……どうやって開けるんだろうな〜」
カチャリ。
と、メガネをたくしあげるクロード。
「そこは、外周にある秘密の部屋からではないでしょうかね?」
「まぁ……そこへ繋がる入り口を発見できてませんから、なんとも言えませんが。コホンッ。」
(結局分かんないのね…はは。)
「とりあえず、移動する前に…全部のエリアを軽くでも見ときたいな」
「その方がよろしいでしょうね。」
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【現在 地下四層[加工場エリア] アストラサイド】
(機巧技師にさりげなく聞いてみるか)
と、コンベアの近くで加工している機巧技師に話しかけた。
「忙しいところすまない。少し聞きたい事があるんだがいいだろうか?」
「お〜見ない顔だねぇ〜、新人さん?それとも観光かな?」
「聞きたいことって?」
(……)
「最近入った新人でよく分かってなくてな」
「この加工場の仕組みはどうなってるんだろうか?」
「ああ、ここね〜」
「実はボクたちもみんな、良く分かってないんだ。」
(分かっていない…だと?)
「ただただ、一人ごとに指定された場所に配置されて」
「淡々とコンベアから流れてくる溶解済みの破片を、溶鉱炉で再度加工していくだけ。」
「オマケに、ここのトップの顔すら知らないからね。指示をするのは…たしか〜」
「く…クルダさんって女の人だった気がするなぁ〜」
「そうなのか。コンベアの始まりの部分はどうなってるか分かるか?」
「いやぁ〜ボクはここの担当だから分かんないかなぁ〜」
「力になれずにごめんよ。まあ、いろいろ大変だろうけど、頑張ってね!」
「そうか。こちらこそありがとう。」
「助かったよ。」
(クルダ……という人物)
(帰ったらみんなに共有しておくか)
(あとはコンベアの始まりを見ておきたい所だな。)
そうして、引き続き通路を歩いて行った。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
アサリのバター醤油焼き美味しい!




