欠片3.『実力』
欠片3.『実力』です!
バックアップを取るにあたって
修正もしようと思いますので、しばらく序盤がおかしなまま保存されると思います。
編集の途中で用事が入ってしまうこともあります。
しばらくは全エピソードの修正となると思いますので、ご理解のほどよろしくお願いします。
サーチは木の上にいる『猿人似屑』の頭に銃口を狙い定めていた。
「……ッゴクリ。」
唾を飲み込み"ジッ"とその時を待つ。
汗が頬を伝い、滴り落ちる中──サーチはアストラと旅に出た時の言葉を思い出していた。
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「それじゃあ、ダメだ」
「確かに最初の一撃は大事だが」
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猿人似屑が首元を指で引っ掻いたその一瞬のスキをサーチは見逃さなかった。
(今だッ──!!!)
カチッ!
素早く引いた引き金の音を合図に、銃口から勢いよく銃弾が発射された。
"パパァァンッ"!!!
発見された2発の弾丸は猿人似屑を捉えていた──
しかし、弾丸があと少しで届くという所で猿人似屑はこちらを睨み身をかわした。
そして、すぐさま『猿人似屑』はサーチ目掛けて飛びかかる。
「……クソッ!!」
鋭い爪を剥き出した腕を伸ばす猿人似屑の攻撃により、ほんの少しだが頬が切り裂かれる。
バッ!! ──"ザシュッ"!!
「……ッ──!!」
猿人似屑の攻撃と同時に、サーチは横に跳躍しながら弾を装填していた。
"ガコッ"!!
➖───────────────────────
「ワタシに向けて撃ってみろ」
「えっ?」
「いつも通り狩猟をするとき
みたいに撃てばいい」
「でも…」
アストラが無言のまま見つめていると、サーチは戸惑った表情をしながらも了承した。
「………。」
「分かった。」
"パパァンッ"!!
シュビッ!!
アストラめがけて発射された弾丸は顔をかすめることもなく素早くかわされ、サーチが再び武器を構えたときには目の前にアストラが立っていた。
「……。」
「……ッ!!」
(いつの間に……)
「初撃の攻撃を外した後が
疎かだな」
「狩りでは動かない獲物を狙う」
「それも、自分の存在を
気付かれずにだ」
「そうだろう?」
「う、うん。」
「だが、実戦は違う」
「いつもこちらが
有利に動ける
わけではない」
「敵対した時に
武器を構えるヒマさえ
ないかもしれない」
「不意打ちだってありえる」
「それじゃあ、ダメだ」
「確かに最初の一撃は大事だが」
「"相手のスキをつく"ということは、
"こちらのスキも"つかれている。
ということを忘れるな」
「いつ何時も
集中を絶やすな」
「常に周りを"観察"し」
「敵の───"先の動きを読め"」
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すぐさま2発目の銃弾を放つサーチ。
カチッ!
"パパァァン"!!
銃弾は当たったが、体の重心がブレていたため猿人似屑の左腕を吹き飛ばすにしか至らず、サーチはすぐに体勢を立て直し猿人似屑へと視線を向け直す。
「クソッ!!
またハズした!!」
(でも……手負いのハズだ)
失った腕をみて激昂する猿人似屑は、こちらを睨みつけるように怒りに満ちた表情をしているを理解したサーチは、そのすさまじい気迫と殺気に一瞬だけ体が動かなくなっていた。
「ウッ……!」
(カラダが……動かない…)
(動けッ……!動けッ!)
(動かないと死ぬぞッ!!)
『"キキィィィィィィィィェエ"!!!!!』
「…ッ!!」
サーチを睨みつける猿人似屑は突然空に向かって奇声を上げた。
猿人似屑は耳を塞ぐサーチを再び見つめると、欺き微笑むように鋭く口角を上げていた。
「な、なんだ……!?」
「……呼んだか。」
背後にて呟くアストラの言葉にサーチは反応する。
「呼んだって……
なにを呼んだんだ?」
「猿人似屑は、
激昂した時に
仲間を呼ぶ習性がある」
「仲間を?」
「──ッ!!」
「じゃあ!ココに
ヤツの仲間が集まってくる
ってことか!?」
「そうだ」
不敵に微笑む猿人似屑にサーチは再び恐怖を感じていた。
次第に、風が吹き荒れてもいない森の中から木の枝や葉っぱが揺れる音が鳴り響く。
"ガサガサッ"……
"ザワザワ"……
……"ガサガサガサッ"……
全方位から鳴り止まない音にサーチは辺りを見渡す。
次第に音が止み、日の光が届かぬその光景に驚愕した。
2人を囲むように、木の上には100匹を超える猿人似屑が見つめていた。
『……キキッ!』
『キキャッ!!』
「こ、こんなの……どうすれば…」
頬に汗を流し動揺するサーチにアストラは声をかけた。
「サーチ」
「ここからはワタシがやろう」
「後ろにいろ」
「し、師匠!!」
「いくらなんでも……
こんな数…無茶だッ!!」
「……。」
「ワタシを信じろ」
その言葉に、サーチはアストラと旅をし始めた頃の言葉を思い出していた。
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「フフッ」
「安心しろ──」
「もし、キミが
やられそうになったら」
「その時は、
師匠であるワタシが
助けてやる」
「だから。どんなことがあっても」
「ワタシを信じてくれないか」
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(師匠を……信じる。)
「分かった!!」
その言葉を聞いたアストラの顔はほんの一瞬だけ微笑んでいるようだった。
「さて、準備運動といこうか。」
彼女は背中に背負っていた大剣を、サーチに手渡した。
「これを頼む」
「──ッ!!
オモッ!!」
「おっとと…」
──ドサッ……!!
渡された大剣があまりの重さにそのまま地面へと座り込むサーチ。
そのまま腰に刺してある細長いレイピアを取り出すアストラの姿を眺めていた。
スゥゥゥ────……チャキ。
「──『龍屑・孔』──。」
┏──────『龍屑・ 孔』 ──────┓
|全面白色の装甲を纏っているレイピア。 |
|その細長い刀身は幅が5センチほどと細く|
|先端は尖ってはおらず、 |
|角が少し丸みを帯びた長方形をしている |
|その見た目は農楽園要塞に住む |
|機巧技師が造った『刀』と呼ばれる |
|破片ノ武器の鞘に形がよく似ている。 |
┗───────────────────┛
(細い……。たしか、
師匠のおじさんから
譲り受けたって
破片ノ武器だっけ。)
「サーチ。目は閉じるな」
「へ?」
「よく見ておけ」
"ザリッ"……グググゥ───
"ドッ"──!!
地面を蹴る音が鳴った次の瞬間──
目の前にいた数匹の猿人似屑の胸に10センチほどの孔が空いていた。
「は?」
サーチは、目の前で起きた光景を見ていたのにもかかわらず理解ができていなかった。
それは猿人似屑も同じで、倒れている仲間を見て先程まで笑みを浮かべていた表情は変わっていた。
『キキャッ!?』
「なにをそんなに驚いている。」
「"ただの突き"だ」
「どうした、来ないのか?」
『………キキィ……』
『""キキィィィィィィィィェエ""!!!』
怒り狂った猿人似屑たちがアストラに飛びかかっていく──猿人似屑の速度は決して遅いわけではなかった。
しかし、サーチが見たのは、その何倍もの速度で攻撃から身をかわし──次の瞬間には猿人似屑の体に孔が空き次々と倒れていく姿だった。
「す、スゲェ…!!!」
「これが、師匠の実力か!!
ははッ…!」
表示を変えず、汗一つ流さない動きはまるで、スローモーションのように残影を残すその身のこなしは──あまりにも滑らかで、目に焼き付くほど遅く眺めた流星を見ているかのようだった。
全ての猿人似屑が動きを止めた後、アストラは腰に『龍屑・孔』を帯刀し直す。
ビュッ!! ──スチャ。
「運動にすらならなかったな。」
スタッ──スタッ……
アストラはサーチのもとへ向かい預けていた大剣を受けとり背中に帯刀すると、振り返りながらサーチへ告げる。
──ガチャリッ。
「終わった、行こうか」
大量の猿人似屑を倒したアストラとサーチは、再び南東に向かって歩き始めていた。
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【南東に進み始めて
──20km付近】
「なあ、師匠」
「次の要塞までは
どのくらい距離が
あるんだ?」
「さぁ、分からん」
「──え?」
「南東に極子水星要塞が
あるから向かっている」
「はぁぁぁ〜〜!?」
「ついさっきまで、
『実際にその目で確かめればいい』
…ってカッコつけてたじゃん!!?」
「オレもはりきって…
『んじゃ、行こうぜ!!』とか
カッコよく決めちゃってたのにさ」
「師匠も知らねーのかよ!!」
「いや、ある場所は大体分かる」
「だが、正確な距離が
分からないだけだ」
「なんだよもう!
言い方が紛らわしいんだよ!」
「師匠のバーカ!バーカ!!」
「バっ…!?…ンンッ。
……まあいい。」
顰めっ面のサーチを見ながら、一瞬だけ顔を歪めたアストラは冷静を装う。
「……。」
「全く。いちいちうるさい弟子だ。」
「なんだとぉ〜!!!」
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【──深峡岩要塞から
南東に24km付近】
(進行24Km 残り2705km)
森を抜けると大きな草原が広がっていた。
草原の至る所に白い大きな岩が埋まっており、その岩は小さい岩なら50センチ未満ほどで、大きなもので1、2メートルほどはある岩が無数に転がっていた。
「うふぉおおお〜〜!!!
なんだここー!!」
「スッゲェ──!!
デカい岩がゴロゴロあるぞ!
師匠ー!!」
「ここは、『白岩草減』
と呼ばれている」
「かつて、ここには岩などはなく。
一面草原だったらしい。」
「だが、星屑の飛来により
小石が徐々に成長し
大きくなった。
と聞いたことがある」
「そうなのか!」
「なぁ、星屑って
結局なんなんだ?」
「オレが本で読んだのは、
八百年前の機巧技師が、
星屑の欠片を使って
星屑を造ったことくらいしか
知らないんだけど──」
「師匠は何か知ってるのか?」
「………さあ。」
「ただ、知り合いの研究者が言うには
星屑には……
特殊な磁気を帯びている
と、言っていたな。」
「磁気…?」
「そうだ」
「それくらいしか、
ワタシにも分からない。」
「……ふぅーん」
「まあ、星屑が
見つかればなんでもいいか」
「はやくつくりてぇな…星屑」
「………。」
(ぜってぇー仇はとる。
待ってろよ。)
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【──星屑の飛来により】
【自然界に存在する
物質の原子や遺伝子に
変化が起きた】
【それにより──
生物や植物・鉱物までにも
影響を及ぼした】
【その結果───環境は大きく変化し】
【動植物・鉱物などは】
【『機屑物』と『在屑物』の
2種類に大きく分類された】
【2種の大きな違いとして──
『機屑物』は
星屑によって突如生まれた
機械生命体や機械物質のみを含んで
創られた生命体や鉱物であること】
【一方で『在屑物』は
この惑星に元々存在していた
生物や植物・鉱物などが
星屑から生成された
微量な機械物質と融合し──
遺伝子が変化。
その後、再形成された
生命体や鉱物などを
そう呼んだ──】
【この800年間──
『機屑物』の進行により
人類の研究はあまり進んでいない
ーmmm∫1.】
【生きることに必死だったのだ】
【この惑星の変化が
全て解明できたわけではない】
【まだ この世には
彼らが知らないことが
沢山あるのだ】
【──故に未知】
【この先起こる荒波を】
【サーチはまだ 知ることはない】
象岩亀はルインルーナ王国跡地にて動きを見せず、ただその場に留まっていた。
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【白岩草減から
──南東14km】
(進行38Km 残り2691km)
白岩草減を抜けると、目の前には巨大な岩の壁でできた峡谷があった。
高さ300メートルはありそうな巨大な岩の谷で、谷の真ん中には土の地面で出来た一本道があり、道幅は30メートルほどだった。
サーチ達が歩いていると、左右の岩の壁に高さ10mくらいの洞窟がいくつも空いていることに気付く。
「着いたな」
「え?」
「ここが『巨岩洞要塞』だ」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!




