表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/186

欠片6.『アストラ』

欠片(ピース)6.『アストラ』です!


※本作の「」と間にある───の種類について説明

[]=人物名と年齢、種族、テキスト

「」=人物の話しているセリフ

『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称

()=人物の心のセリフ

《》=人外、多種族などの心のセリフ

{}=人物の念話

{{ }}=他種族の念話

【】=漫画で例えると『四角い囲みのナレーション語り』や『用語説明』

・・=強調

" "=強調、効果音など

─1本=漫画で例えると『場面転換』や『幕間』

➖─➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸

─2本=漫画で例えると『時の流れ』



「目が覚めたか」



向かいにある木の下から声が聞こえてきた。

サーチがそこを見ると、白髪のポニーテールをなびかせながら、鋭い目つきの女がこちらを見つめていた。


彼女の見た目は、瞳の色が(こん)色で左目と唇の下ににホクロがある。後ろ髪はポニーテールになっており、前髪は下ろしてあるが、両サイドが長く伸びていた。

さらに頭のてっぺんから、中心の髪の束が両サイドの髪より長く、左の耳下の方まで曲がって垂れていた。


左耳には白い長方形のピアスが2つ付けられているようだ。上半身は胸の膨らみが少なめで、白色の服の上に、白い(ふち)で囲われ、その内側は全て…(こん)色をしたロングコートを羽織(はお)っている。


下半身は太もも辺りがだぼっとしたようなズボンで、(すそ)先は、黒色のロングブーツの中に入れられていた。

そのため歩くのには問題なさそうだった。

腰に細いレイピアのような武器をかけ、木にもたれかかるように巨大な大剣が置かれていた。



「あんた……だれだ…?」




「あ、あのあとどうなった…!?」


「確か……岩が崩れて…血が、みんな……あっ…うぅっ…」



「うわぁぁぁ……!!!」


サーチは興奮を抑えきれず、またパニックになっていた。



「落ち着け」

「あれからもう、三日は過ぎている」


旅人[アストラ(33)]

  [種族:ヒト]



アストラは立ち上がると、サーチの元へ寄ってきた。

身長は170cmは超えているだろう。

見上げたサーチは、彼女が放った言葉に驚いていた。



「三日……」

「三日もオレは寝てたのかッ……!?」


「なぁ!!」

「みんなは!?オレが住んでる故郷はどうなったんだよ!」



彼女は答えた。



「滅びた」

「と、言った方がいいか」



「オマエの故郷だけではない」

「あの巨大な機屑物(ガーベマジル)はルインルーナ王国も壊滅させた」



「もう王国は存在しない」




「……そん……な…」



➖───────────────────────



『サーチィ、オメぇ!!』

『まーた勝手に、オレのいない間に工房を使いやがって!!』


『次はねぇぞ、次は!』



「ヘヘヘッ!!まあまあ!いいじゃんか!」



「おやっさんもオレを弟子にして喜んでるんじゃねーのー?」


ニヤニヤしたサーチの(つら)に、腹が立って頭に(こぶし)を振り下ろすツベチカ。



"ゴチンッ"!!



「イテェっ───!!!」

「何すんだよもう〜!」



『サーチ、今度もオメェの奢りだからな』


「またかよ〜……」



肩を落とすサーチをみて、ツベチカは笑って話した。



『オメェの給料は、オレの酒に使われて可哀想(かわいそう)だなぁ〜ガッハッハッハ!!』



────────────────────────➖



「おやっさん……みんな…。」



「うぐっ……。くそッ…!!」


項垂(うなだ)れるサーチに、声をかけるアストラ。



「………」

「これからどうするかはキミが決めろ」



「………え」

(オレが……なにを……?これからどうするって…)


(もう何が何だかわかんねぇよ……クソッ…。)



サーチは、再びツベチカとのやりとりを思い出していた。



➖ ───────────────────────



「いつかここを出て」


星屑(ガラ)欠片(クタ)を探す旅に出る!」


「そんで、ヤツらをぶっ壊す星屑(せいせつ)をつくるのがオレの夢だ!!」




『フンッ、オマエみたいなヒヨッコじゃすぐに死ぬわい』

『おとなしくここで破片(クズ)の武器でもつくっとれ』


─────────────────────────

─────────────────────────



『あれから随分上手くできるよーになったじゃねぇか!』



「だろー!やっぱオレ、天才なんだな!ヘヘッ!」



『なーに言ってんだバカ野郎ッ!まだまだヒヨッコだっつーの!』


『調子に乗るんじゃねぇ!』



サーチの頭に、拳を振り下ろすツベチカ。



"ゴチンッ"!!



「イテェっー!!クッソ……」


「まぁいいや、そのうちおやっさんがつくるもんより スゲーのつくる予定だし!!」



『……』



『サーチよぅ……。オレはオマエのことを本当の息子のように思ってきた』

『小さい頃から見てきたから分かる』



『夢のためにいつも無茶ばっかりしやがるし』



《オマエなら…》


────────────────────────➖



「オレが……決める…か」



「キミはどうしたい?」



「オレは……力が欲しい。」



➖ ───────────────────────



『けどな、オマエはオレの一番弟子だ』



『だから、オマエなら絶対出来ると信じてる。』


────────────────────────➖



「アイツらをぶっ壊せる……力を……」



星屑(せいせつ)を作って……アイツらをぶっ壊す力が欲しいッ!!!」




「そうか」


「だが、今のキミではその(へん)機屑物(ガーベマジル)にすら勝てないぞ」

「無駄死にするだけだ」



唇を噛み悔しそうにするサーチ。


「…なぁ、あんたは強いのか?」



「どうだろう」


「自分ではわからない」



「だが…かつての仲間からは認められてはいたな。」




「なら………オレを弟子にしてくれよ!」


「戦う知恵や技術を教えてくれ!!」




「……」



そう頼み込むサーチの眼差(まなざ)しは真剣で、その瞳の奥は復讐に怒り、燃えるような眼をしていた。

アストラはしばらく見つめた後、目を(つむ)るとゆっくりと(ひら)き返事をした。



「いいだろう」

「キミは今日から、ワタシの弟子だ」



「名は?」



「サーチ」

「あんたは?」



「アストラだ」



「よろしく、アストラ!!」



「ああ」




(おやっさん、みんな)


(オレのこと見ていてくれよ。)



((かたき)はぜってぇとるから!あの世から安心して見守っててくれ!)




「よっしゃぁぁー!!オレはぜってぇやり遂げるぞ!!!」



「声がデカい」

「静かにしろ」



「あっ…すみません…。」


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


次回で序章のラストエピソードになります!


ちなみにアストラは私の癖を詰め込んでます。

オネショタ最強!!(ニッコリ)

(オネショタ展開ありません。)


[アストラ]イメージイラスト

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ