欠片41.『あるお方の像』
欠片41.『あるお方の像』です!
サーチが教会へとたどり着くと、目の前には大きな白い塔が建っていた。
扉を開いて中に入ると、白い内装の奥には、虹色に光り輝くガラスの窓があった。
太陽の日差しが差し込むガラスからは、室内が煌びやかに照らされていた。
また、教会の内部には多くの横長のイスが並べられていた。
「うほぁぁぁあ〜!!スゲェ!!」
「これが教会かー!」
サーチが室内を見て回っていると、奥の空間にそびえ立つ巨像に目が入っていた。
「ん?なんだあのデッカい像」
巨像の近くまで歩いて行ったサーチが見上げると、フードをした髪の長い像が創られていた。
その巨像は両手を前に伸ばし、手のひらを天に向け、その左右の腕には巻き付くように2匹の蛇の像が飾られていた。
「あれは…『新教徒』の崇める像なのです…。」
サーチがしばらく見つめていると、後ろから声をかけられた。
声が聞こえた方を振り返るサーチの目の前には、1人の老人がサーチを見つめていた。
「ニュウ……なんだ、それ?」
「我らが崇めております。あるお方の『信徒』でございます。」
「その『新教徒』は各地に存在しておりますので、今後もなにかしらの縁があるかもしれませんなぁ。」
「は、はぁ……」
(オレはそんなもん興味ないしなぁ)
(なんか、めんどくさそうだし、さっさと聖屑札をもらってこっ〜)
「あ、おじいちゃん!ここに、サンクチュ…じゃなかった」
「聖域って魔屑道具があるって聞いたんだけどさ!売ってる?」
「はて?そのような物は知らんぞ?」
「え?」
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【聖堂内 地下室の奥】
通路を抜けた小部屋の祭壇の下には隠し階段が存在しており、その先にある部屋の中から複数の声が聞こえてきていた。
部屋の中には、白いフードを被った3人の人物と手足を鎖で拘束されている赤い髪をした女がいた。
『…グッ…キサマら!!こんなことがバレたらタダじゃ済まないぞ!!』
「黙れ小娘!」
『バギィッ!!』と、音と共に血を吐き出す赤髪の女は、顔を殴らてしまう。
「我らが主様の為に……この場所を知ったオマエには消えてもらう。」
「……運が悪かったと思うんだな。」
『フッ……オマエら。アタシが死ねば、姉が黙ってないぞ!!』
『アタシらを敵に回したことを、後悔することだな』
「フンッ。オマエが消えた証拠さえ残らなければ、どうとでもなる。」
その扉の反対側で、ユリニトが密かに会話を聞いていた。
《サーチくんより先に着いてしまって、隠れて着いてきましたが。》
《どうやら……怪しい雲行きになってきましたねぇ〜♩》
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サーチが教会の老人に話を聞いていると、思わぬ返事が返ってきていた。
「はて?」
「そのような物は知らんぞ?」
「え?」
「ここにあるって聞いたんだけど!?」
「そんな物は知らん。」
「どうせ、デマかせでも聞いたのじゃろ。」
「分かったら、さっさと出ていけい。」
(ん?なんだ…なんか急に態度が変わって…)
「も、もうちょっとだけ中を見ていってもいいか?」
「教会に来るのは初めてなんだ」
「……ええからさっさと立ち去れぇいっ!!」
同じ人物とは思えないほど、険しい表情をした老人はサーチに向かって叫び出した。
(いったい、何がどうなってんだ?)
「な、なんだよ!そんなにきれなくてもいいだろ!」
そのまま教会の老人に腕を掴まれながら、追い出されるサーチであった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
袋麺のごましょうゆラーメンが美味しすぎた!!これはしばらくハマりそう♩




