欠片40.『動き出す陰謀』
欠片40.『動き出す陰謀』です!
※本作の「」と間にある───の種類について説明
[]=人物名と年齢、種族、テキスト
「」=人物の話しているセリフ
『』=人外、多種族などのセリフ、複数人のセリフ、名称
()=人物の心のセリフ
《》=人外、多種族などの心のセリフ
{}=人物の念話
{{ }}=他種族の念話
【】=漫画で例えると『四角い囲みのナレーション語り』や『用語説明』
・・=強調
" "=強調、効果音など
─1本=漫画で例えると『場面転換』や『幕間』
➖─➖1本=過去回想に入る終わる・過去の時間軸
─2本=漫画で例えると『時の流れ』
【外来地区】
【ユリニトサイド】
『さて、買いたいものが結構ありますねぇ〜』
宿を出たユリニトは、辺りを見渡し呟いていた。
『とりあえず路地街に行ってみましょうか♩』
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【路地裏街】
【アストラサイド】
(赤髪の女か)
酒場を後にしたアストラは、左右の路地を見ながら呟いていた。
「これだけ白い街だ。」
(赤い髪なら目立ちそうだな)
「……さて。すぐに見つかるといいが。」
(まずはこの辺りを探してみるか)
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そうして二人が路地街へと向かい始める中、サーチは串屋のおっちゃんと別れた後に他の店を見てまわった。
そうして、最後に立ち止まった場所は宝石店だった。
店主の容姿は、金色の縁をした白いフード付きのマントを被り、下を向いているのか顔はあまり見えなかった。
「こんにちは!ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいか?」
「え、ええ。」
・
「何を聞きたいの?」
「この街で、『聖屑札』って魔屑道具が売ってるところ知らない?」
「サンク、チュアリ……?ああ、もしかして『聖域』のことかしら?」
「ホーリーフィールド?」
「ええ、なぜか呼び方が違うみたいなのよね〜」
「この辺に売ってるの?」
「ココにはないわ」
「路地街では取り扱えないもの。」
「なら、どこにあるんだ?」
少しの沈黙の後、宝石屋の店主は答える。
「教会よ。」
「教会なんてあるのか!知らなかった!」
「ええ、この街の一番奥にある大きな塔が見えるでしょ?」
顔が見えない店主が指を差す方向には、真っ白の大きな教会の一部が見えていた。
「うん」
「そこが教会よ。そこに『聖域』は売ってあるわ」
「そうなのか!ありがとう!」
彼女の言葉を最後まで聞かずに、サーチは手を振りながら教会に向けて走り出す。
「いいえ」
その後ろ姿を、店主は『ジッ』と見つめていた。
「……気をつけるんだよ。」
「──運命の流星くん。」
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【ユリニト&アストラサイド】
サーチが教会へと続く坂道を走っていく姿を、時を同じくして偶然にもユリニトとアストラが目撃する。
《ん?あれはサーチくんかな?》
《どこに行くんだろう》
『面白そうだから、後をつけてみようかな〜♩』
それに続くように屋根の上からアストラもサーチを見つめていた。
「サーチのヤツ、あんなに急いで……」
「何かあったか」
(バカ弟子が騒ぎを起こす前に止めるとするか)
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【教会 聖堂内の地下室】
暗闇の通路を抜けた小部屋には、壁にロウソクが2つ左右対称についており、その灯りに照らされるように黒いフードを被った人物の後ろ姿があった。
そして、中央においてある祭壇の前で、十字架を掲げる人物は、ひとりでに言葉を放った。
「我ら……主様の為に……!!……神の導きを…!」
「…フフ……フフフッ……もうじき…もうじきだァ…。」
「……我が主様の悲願が……達成する時が…もうじき訪れる──ッ!!」
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
─裏メモ。─
『機竜翼獣』の由来
良さそうな漢字が無いか調べたけど、いい組み合わせがなかったので、なんとなくそのまんま漢字を組み合わせただけです。(笑)
ほんとは「屑」の漢字を入れたかったんですけど、見た目と漢字だけで読んだ時に微妙だったので、装甲感のある機竜兵をイメージして代わりに「機」を採用しました。




