欠片309.『✴︎と✴︎を繋ぐ──"星道"』
欠片309. 『✴︎と✴︎を繋ぐ──"星道"』です!
※腿節と脛節の間
人でいう肘あたりの関節です。
【ゾレイラ──】
【彼が持つ弓矢は ただの木製の弓矢である】
【しかし 魔界にて彼が語る言葉は
いつも決まっている──】
『ワタシが使って
この精度と威力なのだ。』
『ならば──
強者が扱えばさらに』
『この感謝弓は最強の武器となろう。』
【彼以外の者達は、皆声を揃えて口を紡ぐ】
【何故なら】
【どんな弓矢であろうと───
"ゾレイラ自身の実力"によって】
【"百発百中の命中制度"を誇っていたからである】
【そのことを知ることで
彼のパフォーマンスを
落とさないようにする為に】
【──皆は彼に真実を告げない】
森の中を駆け矢を放つゾレイラは、徐々にキングとコクゾウの外殻に傷を付けていた。
《やはり硬いな。》
『うましかーしっ』
《角度によって傷を付けることは可能だな》
《斜めに少しだけ矢尻を傾ける》
《そして、直接当てるのではない…
矢先が弾かれるのを予測して放つのだ》
"ギリギリギリ"──ヒュパッ!!
バシュゥゥゥ────!!!
"ガッ"──ギィィィン!!
キングの背中に矢先が弾かれた後、角度を変えながら矢の側面が勢いよく傷を付ける。
『……傷が付いたところで
意味はない。』
『フムフムフムフム』
《考えるのだ。》
《ヤツらに確実なる攻撃を与えるには……》
『ハハ───ッ!!』
《そうか、これならば。》
木の影から2人を見つめるゾレイラが口角を上げると、大きな歯が草陰から覗かせていた。
"ギリギリギリ"……
弓矢を構えるゾレイラの視界には、キングやコクゾウに向かう光の軌道が見えていた。
(※イメージです)
キランッ✴︎───ピッ✴︎
/
ピッ✴︎─────ピッ✴︎
\
ピッ✴︎───ピンッ✴︎
『見えるゾッ!正された正確な道が!!』
『感謝するぞ、感謝弓よ。』
"パシュシュン"───ッ!!!
ゾレイラから放たれた2連続の矢は、キングとコクゾウ目掛けて放たれた。
【───"星道"───】
【ゾレイラの持つ能力】
【弓矢を撃つ際に───
魔力による最適な道筋が
星と星の点繋ぎのように
視覚情報で認識できる】
【ただし──】
【道筋が分かるだけで
本人の技量が変わることはない】
【また 彼自身は
無意識下で能力を発動しており
自身が持つ能力を理解していない】
『神の軌跡か。フッ。
さすがワタシの感謝弓だな。』
キングとコクゾウは、自身の正面から迫る矢に気付く。
『兄貴ッ!!今度は正面からだ!』
『見えるもんはかわせばぇぇ!』
2人が矢をかわそうと動くも、ゾレイラは口を動かして呟く。
『無駄だ。』
『神の軌跡は絶対なのだッ!!!』
『ブヒュィィィンっ!!』
ヒュゥゥゥ───〜〜"ギュワッ"────!!
『──!!』
《ナニィィィ!?》
《矢の向きが曲がっただとォッ!?》
"ガガッ"──"スパァァン"!
『ぐわぁっ!!』
『ぬぐぅ…』
──ボトボト。
真っ直ぐに放たれた弓矢は、横風により軌道の向きが変更され──キングとコクゾウの腕の関節部分(腿節と脛節の間)へと突き刺さると、そのまま腕を切り裂いていた。
※
『貴様らがどれだけ硬かろうが』
『昆虫の関節部分は可動域として
他の外殻よりモロいッ──!!』
『それがムシケラとして生まれた貴様らの
弱点だッ───!ブヒュッヒュヒュ!!』
『貴様らがワタシに勝つ未来はないのだよ!』
コクゾウが見つめる中、キングは地面に伏せるように丸まっていた。
『ど、どうする…兄貴ッ!』
『ワリャ言ったど。耐えりゃあ〜勝てる。』
『そのための我慢が──』
『漢にゃあ〜必要だ。』
キングとコクゾウが地面に伏せ、内側の露出を減らす姿を見たゾレイラは、激しい歯軋りをしながら高揚していた。
『ガチガチガチガチガチ』
『なんなんだアイツらはぁ〜!!』
『……勝つ気がない
腑抜けた集団だったとはな。』
『ブヒュ〜イッ!まぁ…いいだろう。』
『このまま感謝弓でい抜いてやるッ!!』
─────────────────────────
【世界樹の北の森 冬枯樹域】
【フレイ&リョースVS───
サッキ・ザック&ヴラドルナ】
『草月林の構え──』
スクゥ〜〜〜ピタッ。
フランベルジュ型の刀の破片ノ武器を前に構えて一周をなぞるように回すフレイは、木の上にいるサッキ・ザックとヴラドルナに向かって跳躍していた。
バッ──!
『リョース!援護は頼むッ!』
『もちろんだ!』
キュ、ギリギリギリリ……
銀色をした洋弓型の弓矢の破片ノ武器を構えるリョースは、矢尻を持つ右手から魔力の糸を後方に繋がると、その先には複数の矢に連結されていた。
ヒュパッ───! ──"ジジジジジジィ"…
『"聖月銀炎星・一斉射撃"ッ!!!』
ヒュゥゥ───"ボボボボボゥッ"!!!
連結された複数の矢全ては、摩擦により銀粉が舞い空気中の水分と硫黄反応を起こして粉塵爆発を起こして青銀色に輝く矢へと飛びながら変化していく。
フレイと共に移動する青銀矢に、サッキ・ザックとヴラドルナも迎撃を行う。
『血楔操・"斬"ッ!!』
『フヴン"ッ!!』
サッキ・ザックは血の刃を自身の右腕に生成し、ヴラドルナは棺型のような血の盾を作り出す。
フレイは右下から斜め上に向かって刃を振りかざす。
『ハァァァッ──!!!』
──"ガキィィ────ン"ッ!!!
『ハッハ──ッ!!!』
『今回は逃げネェからよォッ!
テメェはブッコロすぜェッ!!』
ギリギリ……ギギギ……
血の刃と光り輝く剣の押し合いが続いた一瞬の後、
青銀の炎を纏った矢がフレイの体を避けながら、サッキ・ザックの体を覆うように迫っていた。
"ギュゥゥ──ン"ッ!!
『チィ…!ヴラドルナァ!』
そして、ヴラドルナにも矢は向けられており、ヴラドルナは血の盾で矢を防ぐと、リョースのいる場所目掛けて跳躍する。
『……。』
ググ…バッ──!!
シュカカカッ!
ダンッ───!!
『……しまっ!リョース!』
《近づかせたくなかったが…》
《こうなればコイツを素早く仕留めるッ!!》
一方でサッキ・ザックは、咄嗟に体の一部を変形させて矢を回避していた。
グググググッニ〜〜〜ン。
ヒュ──シュカカ!!
サッキ・ザックの体を通り抜けて背後の木に矢が刺さる中、2人は刃を交えたままいると、空気中にはサッキ・ザックの血が舞っていた。
『汚らわしいッ!』『テメェも飲んでみろよォ!』
ギギキリ……ババッ──!!
お互いが距離を離し枝と枝の上に乗り移ると、フレイは自身の周囲に無数の小さな光の刃を出現させていた。
『──"草月林・天松"──』
そして、小さな千本のような光の刃をサッキ・ザックに向けて飛ばしていた。
ヒュカカカカッ!!!
シュビッ!──シュビビュッ!!
『血楔操・"血水膜"ッ!!』
自身の体を覆うように噴出させた血で球体のように覆うサッキ・ザック。
水の波のように流動する血の膜によって、光の刃は半分突き刺さった後に下へと流されていく。
ドプドプっ──ズル……ズルル
《届かんか》
『ならば──』
スゥ───
フレイは『勝利の剣』の鋒で30センチメートルほどの円を空気中に描く。
『──"草月林・日光火"』
ポポポポゥ。
円を描いた箇所が光り輝くと炎を纏った光の球体がフレイの周囲に停滞していた。
『燃え尽くすまでッ!』
ヒュン──ヒュヒュン
ピタ、ピタピタタ
ジッ……ジジュゥゥゥ…!!
光り輝き燃える球体は、サッキ・ザックの血の膜で覆われた球体にゆっくりと触れると、そのまま血を焼きながら蒸発させていった。
血膜の中にいるサッキ・ザックは、背後の膜に穴を広げ外へ脱出すると、血の弾丸を指から飛ばす。
『血楔操・"緋弾"ァ!!』
ビシュシュ──!!
──ササッ、ジジュゥゥゥ…
フレイの目の前に集まった光の球体は、血の弾丸を受け止めると燃やし尽くしていた。
『我に貴様の攻撃は効かない。』
『貴様を燃え尽くす前に聞いておこう。』
『この不快な術を使う奴は何処にいる。』
『答えろ』
『……誰が効かねェだァ…?』
─"〜"─"ジリ…ゾワァ"─"〜─
『"蝙蝠・雨篭ィッ"!!!』
"ジュクジュクジュクジュク"……
"バシュゥゥゥ"───……
サッキ・ザックの体から赤黒い魔力が勢いよく放出されると、小さな100匹の蝙蝠へと姿を変えていた。
バサバサッ──バサバサバサッ
血のように赤色の蝙蝠がフレイの周囲に広がると、サッキ・ザックの声が360度全ての方向から聞こえてきていた。
『ヒッヒャッハッハッ!!』
『テメェはもう、オレに攻撃は出来ねぇ!!』
『なんだ…このコウモリは』
ガブッ!!
左肩に噛み付く小さな蝙蝠を振り払ったフレイは、瞬時に切り裂いていた。
『ッ!──触るなァッ!!』
──ザシュッ!
ビチャチャ─!
その後もフレイが周囲の蝙蝠を切り刻む中、背後にいる蝙蝠が集まり合体すると、上半身だけ姿を現したサッキ・ザックが血の刃を振りかざす。
《血楔操・"身影姿ノ首刈離"》
───"ブンッ"!!!
"ガキィンッ"───!!
フレイは左斜めに体を向けると、『勝利の剣』を背後に構えて血の刃を受け止めていた。
『殺気が溢れでているぞ。』
『チィ…』
トプンっ〜───
体が崩れて血に戻ったサッキ・ザックは、再び小さな蝙蝠に変形していた。
《どこからでも姿を
変えることが出来るようだな。》
《全てが本体であるが
先ほど切った感じでは
ダメージも感じない。》
《どうするか…》
───チラ。
フレイは飛びかかって来る蝙蝠達を切りながらリョースの方に視線を向けていた。
─────────────────────────
『フヴゥゥッ!!!』
──ドゴォォンッ!!
リョース目掛けて地面を拳で砕くヴラドルナに対して、リョースは弓矢を構えながら後退していた。
ギリギリ──…
『"聖月銀炎星・射撃"ッ』
パシュ──ュュュ"ボボッ"──!!
1本の矢を放つと、青銀色に燃えながらヴラドルナへと向かっていく。
"バキィンッ"!
ヴラドルナは血の盾を高質化させ前に構えてリョースの放った矢を弾いていた。
しかし、一部は欠けたように削られており、リョースは再び矢を放つ。
《硬いな。》
……ギギギ… シュパパッ!
『──"聖月銀炎星・曲射射撃"ッ──』
……ボボボ──ボボッ
ギュゥ─────〜ンッ!!
『………!!』
ヴラドルナが盾を構えると、リョースが放った4本の矢は盾を避け回り込むようにヴラドルナの背中に直撃していた。
『ヴヴッ…!!』
『魔力を持つのは、君たちだけじゃないぞ』
背中から矢尻を掴むリョースに、ヴラドルナは咆哮を上げていた。
『ヴヴヴゥゥゥゥア"ァ"ァァ!!!』
バキバキ…ググググッ……
グジュルル……ボコボコッ
ヴラドルナの右腕が膨れ上がったり、亀裂が入り血液が吹き出し始めると、自身の上半身と同じくらいの太さの腕へと変化していった。
そして、腕の先は白い骨のような高質化した素材になっており、肉片混じりで蜷局を巻いた見た目は、細長い巻貝のような姿へと変化していた。
『ヴヴヴゥゥ……フブゥ──…』
『──"穿皇血・混血巻貝"』
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
[今回の一言♩]
たまに無性にサイダーを飲みたくなる日がある。




