新技
あとがきに大切なお知らせがあります!
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「なんとか間に合っ……てないよな、どう見ても」
連絡水晶の救援の方を聞きつけた俺は、久しぶりに身体強化レベル10を使い、一緒に魔力凝集も使って空を駆ける形でとにかく全力でシータ村へとやってきた。
そして何やらドンパチやっている音を頼りにグレンのところまで辿り着いたわけだが……グレンは土手っ腹に穴が空いている完全な満身創痍。
いますぐにでも回復をしないと間違いなくヤバい状態だ。
血痕から考えるにナージャも吹き飛ばされて相当なダメージを負っている。
……畜生が。
こんなことになるんだったら、やっぱり俺がつきっきりで側にいてやるべきだった。
「……一体、何者だ。神聖な決闘を邪魔するとは」
「――黙れ」
「ごっはぁ……っ!?」
全力の一撃で白ゴリラをぶん殴ると、馬鹿でかいクレーターを作りながら地面にめり込んでいく。
俺はなんとなくの野性の勘で敵の強さがわかるんだが、相手の強さはそれほどでもない。
身体強化レベル10でも少し過剰なくらいで、わざわざ新技や必殺技を使わなくても倒せるレベルだ。
こんなのに遅れを取ることになるとは……穴があったら入りたいぜ。
俺は五感を研ぎ澄ませ、森の奥深くにいるナージャの下まで一瞬で辿り着く。
回復魔法を使ってなんとか傷を塞いでいた彼女を抱え、グレンのところまでやってくる。
「グ……グレンッ!!」
腹に大穴を空けて既に虫の息であるグレンを見たナージャが、泣きそうな顔をしながら駆け寄っていく。
だが俺は彼女に今から残酷な真実を伝えなければならない。
「ナージャ、このままだとグレンは死ぬ。なんとかするためには……お前の回復魔法を使って治すしかない」
「む、無理ですっ! 私はもう、魔力が残ってません!」
たしかにナージャから感じ取れる魔力の気配は、普段の彼女と比べると明らかに弱っている。
だがそんなことは問題じゃない。
やらなくちゃ死ぬ、だからやるしかないのだ。
「ナージャ、今からお前に俺の新技を使う。そいつを使ってグレンを治すんだ」
「え、どういう……」
「時間がない、ぶっつけ本番で行くぜ」
俺はそっとナージャの背に触れた。
そして彼女の背中へと……俺の魔力を流し込むッ!
――グレンとナージャに魔力を知覚する方法を教える際、俺は自身の魔力を他人の身体から抜いて自身の肉体に戻す方法、通称『魔力ぶっこ抜き知覚法』を編み出した。
今から使う技は、俺が新たに覚えたあの発展系の技だ。
俺がぶっこ抜いたグレンの魔力は、フィーネの時のように異物感を感じることなく身体に馴染んでいった。
ちなみにナージャの純魔力はフィーネよりマシだがグレン以下、身体に入ってくるとちょっと車酔いした時くらいになるような相性だ。
この三者の違いは何かというと、純魔力そのものの相性の差なのではないかと俺は思っている。
漏れ出す魔力の色が違うように、おそらく魔力には血液型のようにある種のパターンがある。
そのパターンによって相性差があり、猛烈な異物感を覚えたり普通に受け入れられるようになったりという反応の差として現れるのだろう。
だが毎度毎度異物感を感じるのも大変だよな……とそこまで考えた時に、俺は一つのアイデアを閃いた。
『だったら相性差とかがないように、純魔力の性質を変えちまえばいいんじゃね?』
色々と試してみたら……なんかできた。
ポイントは純魔力を形質魔力に変える直前辺りで止めること。
形質魔力に変わる直前の純魔力は他人の影響を受け入れることができる状態になり、その状態の魔力を注ぎ込んでも異物感を感じないことがわかったのだ。
こうして俺は新技を編み出すことに成功する。
他人が異物感や抵抗感を感じることなく、俺の魔力を他者へと流し込む技……。
「――トランスファー!!」
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