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俺の交渉のテクニック2

きちゃーーーーー!!!

きたきたきたきたきたきたきたきたきたきた!!!!

まさかのチャンスです!


偶然にも時間が空いたので寄ってみたお気に入りのカフェ、けれどもあえなく休業日、しかし神は私にこう言っている。ここで死ぬ定めと! 萌え死ね狂い死ねと!

お気に入りcafeに来ていたお気に入りmenが私の目の前にいるんです!


これを逃す手はありませんよ!関係を深める絶好の機会!ねんごろごろごろでゴロゴロにゃーな展開が私を待っているのです!ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふうふふふふふふふふふふうふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふぅ。


(落ち着いたかよ、クソ女!さっさと目的始めっぞオラ)


私に声をかけるのは真っ赤なトマトみたいなゾウジ◯シの炊飯器さん。なんでも、省エネモードということで、普段より体内に電力というエネルギーを蓄えているため、発火し完成間近の備長炭のように赤く光を発しながらフヨフヨと私の周りを浮かんでいるのです。まあ、これは誇張した表現であって普通のワインレッド色なんですけどもね。


「それで、オススメの店というのはこの辺りなんでしたっけ?」


相野優士さん(過去既にリサーチ済み♡)の声が私の耳を通りそのまま鼓膜へ一直線、音波の振動で神経へ電気信号処理され脳に伝わり、私の脳をグチョグチョに掻き回しながら快楽を刺激しつつ、入ってきた電気信号が鼓膜によって音波振動に変わり私の反対側の耳へと通り過ぎていった。


「あひっ!...えっと、なんでしたっけ?私のオススメのお店の場所ですよね。そうです、この辺りですよ!」


私はスマホの地図アプリを検索、位置を確認して進むべき方角を指差し、案内を始めた。


「今日はお天気も良く、爽やかで気持ちいいですね!」


とりあえずのお天気デッキで会話を進めるも、あまり弾む事はなく、空いた時間を進めるに終わる。


「ここです、私オススメのお抹茶専門店!」


長細い店内で、二人席や四人席のほかにカウンター、お土産や店内商品を購入できるスペースまで配置されている和やかな雰囲気のカフェ。立ち込める粉末の抹茶の匂いと、空調の整った穏やかな空気が私達を出迎えてくれる。


「ここにきたことはありますか?」


「いえ、全く。初めて来ました」


目をキラキラと輝かせて、興味津々の好奇心マシマシの楽しそうな顔をする相野優士さんに、私もつられて笑顔になっていた。


「さ、注文をしましょうね、空いた席でじっくりメニューでもみましょうか!」


(おい、首尾はわかってるんだよな?)


もちろんですとも、さりげない会話の中から必ずや相手の尻尾を掴んでみせますとも!

それでもダメなら抹茶の中にアレやコレやをちょちょいとして自分から喋りたくなっちゃうように仕掛けてしまえばいいんです!あー賢い!


(注意しろよ、こいつと確信があるわけじゃない。ましてや最近は気配が全く感じられない。何かあったにちげぇねえ)


まあ、任せてくださいよ!ゾウジル◯の名にかけて!

私はマフラーを外しながら、自分の髪を自然体になるように広げて馴染ませ、負担のかからない髪型へ戻した。


「じゃあ、僕はこれにします、濃い抹茶ラテに抹茶タルト」


「それでは私は抹茶ホイップチョコシナモンラテと抹茶小倉スペシャリティパフェのトッピング全部載せでお願いします!」


ああ、引かれた。確実に引いた目をした。


「い、いつもは食べないんですよ〜?今日は久々に来たので特別にぃ〜?」


はははと笑う相野優士さん。相変わらず頬は引き攣ったままだが、なんとか誤魔化せたということにしよう。特別なのは間違いじゃないし久々な事も本当だ。ほんの24時間前に来ただけなのだから!


私は注文を待ちつつ、相野優士さんの家族構成や普段の過ごし方、趣味やお気に入りスポットにいたるまで、幅広く情報収集した。まあ、今まで仕入れた情報となんら変わりは無かったが、思考や価値観が変わってない以上、生活内容が変わらないのは当たり前のことで、とくに不自然な点はなかった。


「ただ、最近は近所のお姉さん役というか、仲良くしてもらってた歳上の女性にかなりお世話になってて、申し訳ないくらいなんですよ」


近頃、接近頻度を上げている女がいることはもちろん知っていた。けれどその女の過去まで知る気も興味も無かったためノーマークだった。んー、少しは調べておいてもよかったかもしれない。失敗でしたかね。

引っ越し準備とか、お古の家電の処理とか、たわいもない内容だったので一旦スルーしておこうと思う。


「へー、大胆で行動力あって魅力的な方なんですね!一度会ってみたいです!」


「もちろん、その時は紹介しますよ」


いつのまにか来ていたスペシャリティパフェをスプーンで突きながら、私は冷静に平静に着実に機会を伺っていた。

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