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レベルの上がらない無能と言われ家を追い出された俺だけど、ギフト【ドレイン】の力でいずれ最強になります!  作者: にがりの少なかった豆腐
無才に厳しい世界

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なりたかったはずの職と現実

 

 家を追い出されてから1日ほど掛けてダンジョン採掘者の登録をするため、一番近くの町にあった役所に行くとおざなりに対応された。


 最初は着ている服を見て嫌な顔をされ、さらに年齢を聞いて怪訝な顔をされ、レベルの上限を言った瞬間、職員からごみを見るような目で見られた。

 採掘者になるためには身分証明用の仮カードが必須であるため、このような対応をされるとわかっていても、こうして役所に行かなければならない。


 正直役所の人間なんだからもう少し感情を隠して対応しろよと言いたい。しかし、これがこの世界のスタンダードなのだから仕方ないのだ。


「あーはい。登録用の書類受け付けました。カードの発行をしますので、でき次第この番号で呼びますので適当なところに腰かけてお待ちください」


 レベルの上限が1桁の人間には人権がないとまで言われる世界。その中でもレベル上限が1というマイナスエリートな俺に対して適当な対応をすることはおかしくない。

 むしろ対応してくれただけでも相当ありがたいことでもある。


 とはいえ、この世界に生まれてから今まで、こんな対応をされると微塵も思っていなかったからショックの方が大きい。


「153番。準備ができたのでさっさと3番へ来てください」


 俺の後に来た利用者が次々と呼ばれる中、2時間ほど待ったところでようやく俺が持っている番号が呼ばれた。


 もう俺以外には待合場所で順番待ちをしている者がいないところからして、俺の順番飛ばされているのは間違いない。

 今は仮カードの発行自体数分でできるって聞いたことがあるし、さらにさっさと来いって役所の対応として論外だろう。

 もう他に利用者がいないからこんな対応になっているんだろうけどさ。


「それが仮カード。これをダンジョンギルドの窓口に渡して本登録してください。こちらでは以上です。さっさと出て行ってください」


 出来上がった仮カードをぽいっと投げ捨てるように渡され、さすがの対応に言葉を詰まらせていたら受付を担当していた女性に睨まれた。


「……っ、はい」


 どうしてこんな対応をされなければならないのかと、そう思いながらも他の職員の反応を見るのが怖くなり、俺は役所が入っている建物からそそくさと脱出した。


「あんなになりたかった採掘者……なのになぁ」


 どうしてこんな嫌な思いをしながらなりたかった職に就かなければならないのか。


 なりたくてなるのと、それしかなることが出来ないのでは気の持ちようは全く違う。


 俺がなりたかった採掘者はもっと華々しく活躍している、モンスターを倒して周りからちやほやされるようなものであって、先の希望もなく嫌な目に会いながらなるようなものではなかったのだ。


「とはいえ、仮カードは発行してもらえたし、あとはギルドに行って本登録した後、一番簡単な依頼を受けて一回お金を手に入れないとな」


 そうしなければ泊まるところも食べる物も手に入らないのだ。……一応食べ物ならその辺に生えている植物を食べることはできるが、食べられるかどうかの判断はできないので、腹を壊すかどうかは賭けになる。

 最悪毒草の可能性もあるし、できればちゃんとしたものを食べたいから、これは最後の手段だ。


「よしっ」


 気持ちを切り替えるためにそう口に出し、一番近いダンジョンギルドへ向かうことにした。



 目的地へ向かう途中、俺の横を多くの車やバイク、人たちが通り過ぎていく。

 俺の横を通り過ぎて行った人の多くは俺のことを見て怪訝そうな顔をしたり、中には蔑んだような視線を向けてきた。

 おそらく俺の身なりを見て、親に捨てられたか逃げ出してきた子供だと思っているのだろう。もしかしたらその理由も察しているのかもしれない。

 

 町の中心付近にあるこの少し大きめの道路だが、これを辿っていけば少しは安全にギルドがある場所へたどり着くことが出来る。

 こういう光景は村の近くではほとんど見なかった物ではあるが、役所があるくらいには栄えている場所なら魔導機械があるのはありふれた光景なのだろう。


 この世界、魔法も魔物もダンジョンも存在しているザ・ファンタジーな世界だが、実のところ、この世界は技術面がかなり発達している。

 よくあるファンタジーの世界ではあまり機械工学とかいろんな分野が発達途上だったりするが、ここではそんなことはない。

 元の世界と同じか、分野によってはそれ以上に文明が発達している。


 今俺の横を通り過ぎて行った車は車輪はついておらず地面から十数センチは浮いている。この辺は不思議な万能エネルギーである魔力が存在しているからだが、少なくともこれくらいの技術は当然のように存在しているのだ。

 まあ、車輪がついていない車に関しては最近出てきたものらしい。村では一切走っていなかったから、詳しくは知らないけど。


 今まであまり見なかった景色を眺めながら町を出る。ここからダンジョンギルドがある場所までは徒歩で移動になる。

 お金があればバスに乗ってもう少し近い場所まで移動することはできるが、ない以上歩いて行くしかない。

 

 半日以上かかる距離だけど、体力づくりのつもりで頑張ろう。

 

今日はもう1話公開します。

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