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レベルの上がらない無能と言われ家を追い出された俺だけど、ギフト【ドレイン】の力でいずれ最強になります!  作者: にがりの少なかった豆腐
無才に厳しい世界

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こんなのあんまりだろ

 この作品は異世界転生ダンジョン物の話になります。

 最弱からの最強系の話ではありますが序盤を除けば基本的に最強無双? 系の話になると思うので苦手な方は注意してください。

  

「レイト! この家には無能を養う余裕はないんだ! すぐに出て行きなさい!」


 俺が12歳になる年のはじめ。

 村にある教会である儀式を行った翌日の朝、怒鳴り声を上げた父親に無理やり起こされ、何もわからぬままパジャマの襟をつかまれ家の外に放り出された。

 

「ぐぇっ」


 無理やり放り出されたことで受け身を取ることもできず地面に顔面を強打してしまった。


「二度と戻ってくるな! もうお前はこの家の人間ではない! さっさとどこかへ行け。目障りだ!」


 有無を言わさぬ口調で一気にまくし立てた父親はそのまま家のドアを思い切り閉め、中に引っ込んでしまった。


「う゛そだろ」


 顔面を打ったときに思い切り鼻を打ち付けてしまったことで、少し鼻声になってしまった。


 着の身着のまま外に放り出されて、荷物など持っているわけもない。金もないのに出て行けと言われて、どうすればいいのかもわからない。

 すでに父親は家の中。他の兄弟は見て見ぬふりをしていたし、母親は顔すら出さなかった。


 ここでようやく俺は、昨日まであった日常が突然反転したことを理解した。




 家を追い出されて、目的もないまま村を出る。

 村の人間も俺が家を追い出された理由を知っているので、親と同じような対応をしてくるだろう。いや、もっと酷いことをしてくる可能性もある。

 昨日まで友人だった奴らからも、教会で出た結果を聞いた段階ですでに見捨てられている。


 思うところがないと言えばウソだがこのままとどまっても意味はない。俺はさっさと村を離れることにした。


 この世界はレベルが存在している。

 レベルは神様が授けたアイテムを使って調べることが出来るのだが、誕生当初は当たり前だがレベルは1だ。

 そしてそのレベルには上限がある。生まれて最初に測るレベルの上限はほとんどの人が1だ。これはまだ体が出来上がっていないためそうなっているのだろうと言われている。

 この上限、最初は皆同じだが年を取るにつれて上昇していき最終的な上限は人によって異なる。大半はレベル20の後半でレベルの上限は止まるのだが、上限が10の人もいれば上限が100を超えるような人もいる。


 そしてこの上限は成長期を迎える10歳から12歳の間にほぼ固定される。そのため、およそ全員が固定されたと判断できる12歳を迎えた子供はその上限を確認するため、それを調べることのできるアイテムが存在する教会へ行くのだ。


 そして仲の良かった友達と一緒にそれを測定した結果、俺のレベルの上限は1であることが判明した。


 この世界でのレベルの上限は低ければ才能がなく、高ければ才能がある。そういう判断をされる物だ。

 そのためレベルの上限が1だった俺は無能扱いされるし、実際その場でされた。


 当然だが、レベルが低いからと言って才能が一切ないとは必ずしもそうとは言い切れない。しかし、多くの場合はこの上限に従って才能の大きさに比例しているので、レベルの上限が低いものは周囲から馬鹿にされるものなのだ。多くの人は例外なんて普通は考慮しない。


 レベル上限一桁となれば下手すれば人権すら認めてもらえない可能性もある状況なのだ。普通の人間ではまともに生きていくことはほぼ不可能ともいえる。


 とにもかくにもレベルありきで回っている世界であり、社会なのだ。


 レベルを上げることもできず、才能がないと放り出されてしまえば犯罪者か浮浪者になるしかない。

 あるいはダンジョンの採掘者になるくらいか。


 この世界にはファンタジーの定番であるダンジョンが存在している。そしてダンジョンに潜り金を稼いでいる者たちを採掘者というのだ。


 これはレベルに関係なくなれる職……職……か?

 ぶっちゃけ採掘者って、トレジャーハンターやギャンブラーみたいな立ち位置なので職と言っていいのかはわからないが、とりあえず採掘者に関しては誰でもなることは可能だ。

 ただまぁ、当然ではあるがダンジョン採掘者として稼ぐには強さが必要だ。


 だから結局ダンジョン採掘者として生計を立てるためにはレベルが必要になる。そして俺はレベルが上がらない。


 これ詰んでいるよなぁ。


 街に出て物乞いで生きていくのは辛いものがある。それで生きていけるかもわからない。最近そういう人たちに対してあたりがきつい風潮だしな。


「せっかくファンタジー設定のある異世界に転生出来たって言うのにこれはあんまりだろ」


 転生者だからどれだけレベルの上限が高いのか、期待に胸を膨らませて教会に行ってみれば上限は最低値の1。それがわかった段階で友達だった奴は無視しだすし、その翌日には家を追い出されるし踏んだり蹴ったりだ。いや、踏んだり蹴ったりで済めばまだいい。

 下手すりゃこのまま死ぬ可能性もあるんだ。


 このまま現実逃避をして無意味に彷徨っていればあっさり来世行きだ。次があるかはわからんけど。


 とはいえ、現状できることは限られる。

 そもそもようやく今年で12歳なのだ。前世じゃまだ小学生だ。レベル抜きにしても雇ってもらえる可能性は低い。


「採掘者しかないか」


 昨日、教会に行く前まで嬉々としてダンジョン採掘者になってやると思っていたのに、今ではなりたかった採掘者になるのが憂鬱でしかない。


 レベル1で危険の多い採掘者になるしかないというのは、近いうちに死ぬのがほぼ確定しているようなものなのだ。


「あんまりだよなぁ」


 なぁ神様。俺、前世で何かこんな仕打ちを受けるようなことをやっちまったのか?

 

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