第20話 協力体制の構築
数日後、レインはミラード村とフェルン村、そしてトルム村の代表者たちを集めた会合の場に招かれていた。会場となったのは、三村のちょうど中間に位置する古い集会所だった。
「レイン様のお噂は、かねがね伺っておりました。まさかこれほどお若い方だとは……」
ミラード村の村長、初老の女性が、驚いた様子で言った。
「僕にできることは限られていますが……皆さんのお役に立てるなら、力を貸させてください」
レインは謙虚に応じつつ、三つの村の現状について話を聞いていった。それぞれの村が抱える課題——魔物の襲撃、交易路の不備、人手不足——は、個々に対処するには限界があったが、三つの村が協力し合えば、解決できる可能性が大きく広がる。
「まず、それぞれの村の見張り塔を連携させて、狼煙による緊急連絡網を整備してはどうでしょうか。一つの村が襲撃を受けた際、即座に周囲の村へ知らせることができれば、援軍の到着も早くなります」
「それに、交易路の警備も、順番に持ち回りで担当すれば、負担を分散できるはずです」
レインの提案に、村長たちは目を輝かせた。
「素晴らしい案です! ぜひ、実行に移しましょう」
「レイン様、もしよろしければ……この地域一帯の『相談役』として、今後もお力添えいただけないでしょうか」
思いがけない申し出に、レインは一瞬戸惑ったが、やがて静かに頷いた。
「僕は学園に通う身なので、常駐することはできませんが……できる限り、力になります」
こうして、辺境三村を結ぶ協力体制——後に「アルダーシュ連合」と呼ばれることになる小さな枠組みが、静かにその第一歩を踏み出したのだった。




