エピローグ 冬の便り
よろしくお願いします
学園祭の一件から一月が過ぎ、王都には初雪が降り積もっていた。冬休みを前に、レインは実家への手紙をしたためていた。
『父上、母上
二学期も、無事に(?)乗り切ることができました。Cランクへの昇格も果たし、学園でも多くの友人に恵まれ、充実した日々を送っています。
少し、気がかりなこともあります。学園祭の折、正体不明の魔族の襲撃がありました。詳しいことはお会いした際にお話ししますが……どうやら、僕たちの周りで、何か大きなことが動き始めているようです。
ですが、心配しないでください。フィオナやドミトリさん、そして学園の皆が支えてくれています。一人で抱え込むようなことは、しません。
冬休みには、必ず帰ります。トルム村の様子も、久しぶりに見てみたいですし。
それでは、良いお年を。
レイン』
手紙を封蝋で閉じながら、レインは窓の外に降り積もる雪を眺めた。
(前世では、雪景色を見ても、ただ寒々しいとしか思わなかった。今は……なんだか、少し綺麗だと感じる)
前世で失っていたものを、今世で一つ一つ拾い集めていくような、そんな感覚が、レインの中に静かに根付き始めていた。
だが同時に、ゾルアークという存在の影は、確実に大きくなりつつあった。前世の因縁、四天王の裏切り、そして自分の正体に気づきかけた敵の言葉——それら全てが、これから訪れるであろう大きな嵐の予兆であることを、レインは薄々感じ取っていた。
(次の学期、いや……これから先、もっと大きな戦いが待っているのかもしれない)
よろしくお願いします




