第17話 学園祭前夜
よろしくお願いします
禁書庫での調査から半月ほど過ぎ、学園は年に一度の大イベント、学園祭の準備に沸き立っていた。
「レイン君、うちのクラスは屋台をやることになったから、絶対手伝ってね!」
フィオナが目を輝かせながら言った。クラス中が浮足立つ中、レインもまた、その賑やかな空気に自然と頬を緩めていた。
「ドミトリさんは、何か出し物に?」
「俺は……剣術の模範演武を頼まれている。柄にもなく緊張するな」
ドミトリは苦笑しながら頭を掻いた。地下遺構の一件以来、彼は以前とは見違えるほど周囲に打ち解けていた。
準備期間中、レインは屋台の設営や、装飾の魔法付与など、裏方の仕事に精力的に取り組んだ。前世では決して経験することのなかった、こうした「みんなで何かを作り上げる」時間の楽しさを、レインは日々噛み締めていた。
だが、そんな穏やかな日々の裏で、不穏な影は着実に近づいていた。
夜、警備の見回りをしていた教員の一人が、学園の外周で不審な人影を目撃したとの報告が上がった。
「複数名の、正体不明の侵入者……学園祭の当日を狙っている可能性がある、か」
学園長は険しい表情で、緊急の教員会議を招集した。
「警備を強化する。生徒たちには、不必要に不安を煽らぬよう配慮しつつ、な」
レインもまた、内密にこの報告を聞かされていた。
「レイン君、万が一のことがあれば、頼らせてもらうかもしれない。心構えをしておいてくれ」
学園長の言葉に、レインは静かに頷いた。
(また、ゾルアークの手先か……。今度こそ、正体を掴んでみせる)
よろしくお願いします




