第12話 新学期と、Cランクへの道
よろしくお願いします
長い夏休みが終わり、王立魔法学園には新学期の喧騒が戻ってきた。
「レイン君、久しぶり! 夏休み中、何してたの?」
開口一番、フィオナが駆け寄ってきた。夏の日差しで少し肌を焼いた彼女は、以前にも増して快活な様子だった。
「実家でのんびりしてたよ。あとは、村の防壁強化計画の進捗を見たり」
「相変わらずスケールが大きいなぁ……。あ、そうだ、聞いた? 二学期から、冒険者ギルドと学園の合同プログラムが始まるんだって」
フィオナの言葉に、レインは興味を惹かれた。
「合同プログラム?」
「学園の実技授業の一環として、正式にギルドの昇格試験を受けられるようになったの。レイン君、まだDランクだったよね? これでCランク試験、受けられるんじゃない?」
「そうか……それは、ちょうどいいタイミングかもしれない」
トルム村での一件以来、レインの実力は既にDランクの枠には到底収まらないものになっていた。だが正式な昇格試験を受ける機会がなかなか巡ってこず、宙ぶらりんの状態が続いていたのだ。
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新学期初日のホームルームで、担任教師が神妙な面持ちで告げた。
「今学期から、二年生以上を対象に、冒険者ギルドとの合同実習プログラムが始まります。詳細は追って通知しますが……皆さんの中にも、既にランクを持っている者がいるかと思います。特に——」
教師の視線が、ちらりとレインの方を向いた。
「特例で今学期中に、複数名がCランク以上への昇格試験に挑むことになります。まあ……誰とは言いませんが」
教室中の視線が一斉にレインに集まった。もはや隠しようもない、公然の事実である。
「え、あ……はい」
レインは苦笑いを浮かべるしかなかった。
授業終わり、廊下でドミトリが声をかけてきた。地下遺構の一件以来、彼のレインへの態度は完全に変わっていた。
「レイン、お前も試験を受けるんだろう。俺も今回、Bランク挑戦者として推薦を受けた」
「ドミトリさんも? すごいですね」
「お前ほどではないがな。……この夏、死ぬ気で鍛え直した。少しは、お前の背中に近づけたと思っている」
かつての嫌味な態度は消え、そこには一人の求道者としての真剣な眼差しがあった。
「一緒に頑張りましょう」
レインが差し出した手を、ドミトリはしっかりと握り返した。
よろしくお願いします




