狭間の神
「アヌスは有名な神よ。ほら中学校で習ったでしょ?」
え、そげな事習ったか? 性教育か? 上級者過ぎるだろ。僕は生まれてこのかた、そんなプレイを実際にした事がある勇者には出会った事がない。なんつー事教えてんだ、エルの中学教師。今の令和の世なら曝されて免職だろう。
「キラ、月を英語で言ったら、一月は何?」
さすがに英語が苦手だった僕でも知っている。
「フェブラリー」
「何ボケてんのよ」
ん、間違ったか? 英語なんてもう十数年耳にしてないからな。
「ふざけただけだよ。ジャニュアリーだよね?」
「そうよ。その、ジャニュアリーの由来って知ってる?」
なんか習ったような気もするけど、覚えてないなー。月の名前すらおぼろげなんだから。
「んー、忘れた」
「ジャニュアリーっていうのは、ジャヌス神の月って意味よ確か。Jはローマでは読まないから、ジャヌスはアヌス。一月はアヌスの月って意味よ」
なんだそりゃ? 一月はアヌスの月? そりゃ勘違いしまくってるだろ。
「エルさんや。それってヤヌスじゃないのですかな? アヌスじゃなくてヤヌス」
ヤヌスなら僕は知っている。なんか男と女の頭が二つついてる神様だ。007の映画のゴールデンアイで確かそう言う名前が出てきた。ソビエト連邦のマフィアか何かの名前だったと思う。裏切り者の二面性がなんとかだった。ゴールデンアイの映画は見てないけど、僕は友達とニンテ〇ドー64のゲームでよく遊んでた。四人まで一緒に対戦できて白熱してた思い出がある。黄金銃がヤバくて、一撃で相手を倒せたな。黄金銃って黄金水を出す銃なのかって当時は思ってたが、007の映画であったやつで、映画でも一撃死の特性。ゲームでは金玉銃とかみんな呼んでたな。最悪だ。
ん、おぼろげにしか覚えてないけど、やってたのは友達とだけじゃない。お兄ちゃんと、お姉ちゃん。おかしい。僕は兄や姉は居なかったと思う。親戚だったのかなー。お姉ちゃんは美人だったのを覚えてる。そう、エルのような感じの。
エルはというと、なんかブツブツ言ってる。
「アヌス? ヤヌス? アヌス? ヤヌス?」
美少女の口から出ていい言葉じゃないな。
「そう、間違ってたわ、ヤヌスよ、ヤヌス。なんかアヌビスとかいう神様もいるじゃない。勘違いしてたみたいだわ」
なんか可哀想だ。ヤヌスもアヌビスも。どっちとも言い間違いNGな名前だな。けど、エルはヤヌスとアヌビスに謝る必要があるんじゃないか? 祟られたりしないよね?
「だからー、ヤヌス神は月の名前になるような神だから、地球の人々がジャニュアリーって言葉を使うたびにその存在が強化されてキラの魂と融合してる神晶に力が流れ込んでくるってわけ」
「まじか。じゃ僕の神晶って、もしかしてかなり強いの?」
「そうねー。戦闘系の神様だったら強いんでしょうけど、ヤヌスの力って二つのものをくっつけたりくらいしか使えるの無いから、どんなにエネルギーがあってもあんまり役にたたないのよねー」
二つのものをくっつける? だから僕は男と女がくっついてるわけか。しかも強力らしい。まじで、どんなに強くても今の僕には強力な呪いのようなもんだな……という事は治んないのか?
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