門の神
「僕の守護神が『アヌス』だと……」
「そう、アヌス神の神晶よ」
これで点と点が繋がった。やたら冒険者ギルドの受付のエルフ美女モミがカンチョーをしかけてきたり、カンチョー聖女と呼ばれたり、堕天使にカンチョーして指を骨折したりとか、全て僕の守護神のせいだったんだ。守護神じゃなくて疫病神なんじゃないか?
「けどさ、アヌスってどんな神様なの? 僕はそんな神の名前は一度も聞いた事ないよ」
秘められた神なのかもしれない。多分放送コードに引っかかる名前な事だし。まあ、なんか田舎とかにある、御神体が男の勲章のような神様なのかもしれない。
「え、キラ、知らないの? なんか男の子って、ギリシャ神話とか、星座とか、クロスとか大好きじゃないの?」
なんでこの人、クロスとか知ってるのだ? 僕はクロスはロマンだから、段ボールで制作した記憶がある。
「それってさ昭和の嗜みでしょ? 何で知ってるの? ちなみにさ、エルって異世界転移したんだよね。それっていつの事なの?」
「1996年、平成8年よ」
え、30年前。
「その時いくつだったの?」
「16よ」
という事は1980年生まれ。どうりでその頃についてよく知ってるんだな。僕がなんで昔の事について詳しいかは覚えてないけど、多分好きでネットで情報を漁ってたんだろう。前世の僕は2004年生まれだったから、年の差34……まあ、けど、見た目と生きてた年数は多分あんま違わないはずだから問題ないはず。
「そっかー。16かー。じゃ高校に入ったばかりで転移したって事? 寂しかったんじゃ」
普通の女子高生が16才で、異世界に転移。ハードモード過ぎるだろ。
「寂しくはなかったわね。あの馬鹿と可愛い妹ちゃんと一緒だったから」
そう言うエルは逆に寂しそうな顔に見える。その馬鹿と妹がどんな人なのか気になるけど、多分なんか辛い事があったのかもと思い、聞かない事にした。まあ、昔の事は互いにもっと仲良くなったらあっちから話してくれるだろう。
「あ、それで、話、戻るけど、その神様について僕は何も知らないよ」
「いや、知ってると思うわよ。多分忘れてるのよ。アヌスって境目と推移を司る神で、出入り口、扉や門の神だそうよ」
アヌス、アヌスって連呼してるけど、エル、意味わかってるのかなー? まあ、転移する前女子高生だった訳で、その手の知識に疎いのかもしれない。境目? うん、そりゃ出るとこだもんな。推移? うん、ブツを推移させるものだよな。扉や門? そうだな、新しい扉が開けたとか言うし。
「門は門でも肛門だよね」
ちょっとジャブを放ってみた。
「そうね、学校の校門にも関係あるかもしれないけど、祀ってるのは見た事ないわねー」
あー、ダメだこりゃ。
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